若手医師の美容外科転科の相談(眼科→美容外科)

昨日若手眼科医が美容外科の転科を考えているというので、来院され相談に乗りました。聞けば私の本のあとがきに感動したから来ましたといわれました。さて、「動機は?」と聞けば「母が医師で美容皮膚科もやっていたので以前から美容は身近に感じていました。」と言います。私(木村)に相談に来る前に母と一緒にやっていた美容外科医にも相談に行ったとも言うので、私は彼は本気なんだろうと思い、「4年間形成に行きますか?」と問いかけましたが、返事は芳しくありませんでした。
彼は私立文系の偏差値最高の大学・学部を1年も遅れずに卒業して大手銀行に勤めるエリートコースを歩んでいましたが、途中で医学部に行きたくなり、新設私立医大に入り直した経歴でした。彼は「父の企業家としてのDNAが僕を最初は文系に向かわせ、途中から母の医師としてのDNAが医学部に向かわせたのです。」等と言いました。しかしTVドラマならともかく私にはよく分らない発言でした。
そして彼はいつか海外に行って、その国の発展に寄与する仕事に就くことも考えているし、医療は今後予防医学に重点をおくべきと、その活動をもう行っており、3月は新宿区から許可を取りAlta横の路上を借り切り予防医療のイベントを開きます。などと言っていました。
私はそれを聞いて、先生は医療を事業として取り組むのと、患者への診療行為として取り組むのの、どちらに軸足を置きたいんですか?と聞けば、事業としての方だと思います。と答えました。
私は「それなら形成外科などテクニックを磨く修練の時期は割愛し、大手美容外科にいきなり飛び込み2年居て、いつかは眼科・美容外科で新たな医療事業を始める方が良いんじゃないですか?自分は統括する立場で腕の良い医者を雇うような形で。」などと言いました。
・・・たぶん彼はいつかそうなる予感を持ちました。私とは全く異なるタイプの、新しい医療ビジネスを構築する企業家の若き日に遭遇した気がしました。