鼻で醜形恐怖症の診断の患者の手術(2)

私は最初は親御さんと話していましたが、代わって本人と話しているうちに、『あれ?この子は明らかにIQが高い。』と感じました。それで以下のような話になりました。
木村:「あなたは、どこの高校生なんですか?」
患者:「○○高校です。」
木村:「おお、やっぱり!有名な超進学校ですね。で、今の成績は?」
患者:「実は学年で下から1割内にいます。」
木村:「何と!・・・しかし入学時の成績は?」
患者:「上から2割以内には居ました。」
木村:「何たる惜しいこと!・・・鼻の事が気になって勉強が手につかない?」
患者:「そうです。」
木村:「鼻の事が解消すれば勉強に専念出来ると思いますか?」
患者:「はい、そう思います。手術代も自分で貯めましたから是非やって下さい。」
木村:「鼻をやっても後日まだ気になる可能性もあるし、実は鼻以外の事で精神的に何か有るのかも知れない。でも鼻がここまで気になったら、手術をうけない限り勉強が一歩も進めない。」
患者:「ええ、そうです。」
木村:「どこの美容外科や形成外科も高校卒業までやらないと断りまくったら、勉強に専念出来ずにランクの低い大学に甘んじる。もしくは高校卒業後に鼻の手術をしたら気を取り直して勉強できるかも知れないがそれでは浪人する羽目に。・・・それは大きな損失。」
木村:「・・・良いですよ。この手術、私が引き受けましょうか。」
患者:「ありがとうございます!でも今までカウンセリング受けた美容外科の先生には黙っていましたが、実は精神科に通っていまして、“醜形恐怖症”の診断名も受けています。大丈夫でしょうか?」(続く)