イリザロフ法研究会と帝京大整形外科の松下教授(下)

・・・(続き)嫌な顔はされず「なーんだ~(中略)。今、美容外科で骨延長をしている先生がいることを知っているが、ああいう先生を学会や研究会に入れさせて、おかしな事をさせないようにする。そういう話も先日出てたんだよ。ガハハハ。」・・・松下先生は体も大きいですが声も大きくて豪放磊落な方です。そして人徳があるというか惹きつけて已まないものを待っていると思います。私は整形外科を続ける人生があったとしたら弟子入りしたかった位です。
松下先生が日本創外固定・骨延長学会の会長をされた時は、学会終了後の会員懇親会の食事の際も「次々に症例を出しますので、オールナイト・ディスカッションと行きましょう。」と叫ばれ、会員の先生方もアルコールで酔ってなのか無礼講で各々が「私ならこうやります。」「いや、それでは骨癒号が遷延する。」等と、21時を過ぎても延々と討論が続いていたものです。私は学会の夜の懇親会で某バンドの演奏など、やかましいばかりで意味が薄いと思っていましたから、そこを食事しつつ「各々の治療法の討論の場」とするのは誠に良い事と思いました。
さて、イリザロフ研究会は毎年9月に帝京大学が主催で文京区のホテル椿山荘でありました。日本庭園のある落ち着いた高級ホテルで、行けば毎回良い気分になったものです。ですが、この3月に松下先生は帝京大学教授を定年退職されました。
そのため今年9月のイリザロフ研究会は金沢市に移ったのです。金沢大の教授はTSF(CIMG5451円形リングに斜め連結したロッドをコンピューターで出た数値を元に伸縮させれば完璧な整復・矯正を得るデバイス)の第一人者ですから主催者として順当とは思いますが、椿山荘が会場でなくなるのは淋しい気がします。
今年1月31日に整形外科カレントコンセプトがやはり椿山荘であり、松下先生が教授として主宰される最後の研修会ですから私も出席してご挨拶をしました。
・・・初めてお会いしてから四半世紀経ってしまった。1通の郵便物を開けてはそんなことを思ってしまいました。