一般外科、耳鼻科・整形外科からの美容外科

 医学部を卒業した後の医局の選択ですが、私の場合、医学部6年の時、実は後年常勤で勤める事になる大塚美容形成外科の先代院長、石井秀忠先生に電話で相談した時、「いずれ美容外科をやるにしても人を診るというのが基本だから一般外科から始めるのが良い。内科から始めるのだって有りだと思う。美容外科の手術テクニックは後からで良い。」という様なご回答をして頂きました。一般外科医からスタートした石井先生ご自身の生き方からのご発言だったのでしょう。
 また私の医師人生に決定的なアドバイスをされた江崎先生は元々は長大耳鼻科ご出身で県立病院の耳鼻科医長をされていましが、「私の様に耳鼻科から始めても良いけど、君には整形外科から始めるのを勧める。その際、麻酔科も回って出来れば標榜医まで取った方が良いし救命救急もやる。美容外科のテクニック的なことはいつでも学べる。」等と言われました。大森系美容外科学会(JSAPS:形成系)の理事で重鎮の一人と目された高名な先生のアドバイスは信じるに値すると思いましたし、その後の私の生き方は丸っきりあの時アドバイスの通りになってしまいました。人生の分岐点の選択後は容易にそのコースを外れる事が出来きなかったのです。
 ただ上記の話は私も含め昭和の時代に医学部を卒業した人の場合で、石井先生の御子息の先生は卒後は形成外科に入局し今はクリニックを後継されてます。平成に入ってから多くの医師の意識が変わってきたのです。