女性医師をどう育てるか6・・・入局前に出産・育児がベスト

形成外科学会の総会では毎年「女性医師をどう育てるか」などのシンポジウム(題名は毎年違う)が開かれています。私が5年前に出て聞いた時は、教授クラスの男性医師が喋るのは「女性医師の妊娠・出産・育児には医局としてもバックアップします。」とか総論賛成の各論はなかなか言えずでした。つまり育児中の女性医師の執刀の機会とか17時以降の勤務とか、当直免除にするのかとか明言しなかったものです。
これにフロアーから質問が出たりすると「えー、17時になったら執刀を途中で代わってもらうのはアリと思います。外国だとそういうのも有ります。」と答えが来ましたが、患者さんが聞けば「大丈夫!?」と冷や汗ものです。

私のクリニックにも今まで多くの医学生、若い医師が進路相談に来ましたが、女子医学生が「形成外科の入局説明会で、“入局するなら、卒業後7年間妊娠するな。”と言われ困っています。」とありました。
2年前の形成外科学会のシンポジウムの時は都内某教授は「いや~、レジデントのうちに妊娠・出産・育児期間中に抜けてもらっても、むしろ医長クラスになって抜けてもらうより良いので、うちの医局としてはレジデントのうちの妊娠・出産・育児はむしろ容認です。」とか答えていましたが、これって本当にキャリアを積ませる気があるのか!?つまり奴隷として雑務ばかりさせておいて、奴隷だから抜けてもOKということでないのかと私は勘ぐるのでした。

以前もこのブログに書きましたように、『キャリアアップは何歳になっても出来るが、妊娠できる年齢は限られている。キャリアアップより妊娠・出産を優先すべき。』その中でいつ妊娠・出産すべきかですが、当院来院の女子医学生の話が一番理想的に考えます。下記に書かせて頂きます。

「今は女性医師の生き方の話の機会はよくあります。先輩方はキャリアアップを先にして、後で子供が産めなくなって失敗しました。私は幸い相手がいますから、出産・育児は医学部卒業後の1年目で。そして休むのは1年間が限界だから、親がまだ若い時期なので卒後2年目は親に昼は子育てをしてもらい臨床研修開始、そして臨床研修2年間が終わって2人目の子供を出産し、また育児をした後、卒後5年目で医局に入って、その専攻する診療科では休職などせず頑張り続けたいです。」