静脈麻酔は死と隣り合わせ

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ニュースでマイケルの死因の可能性として「デュプリバン」が挙げられましたが、この薬は多くの美容外科クリニックにあるものです。学術名はプロポフォール(propofol) と言います。美容外科の現場では静脈麻酔をかけることは稀でありませんし、患者さんもそれを希望されます。しかし一般病院や大学病院で局所麻酔手術を行う時に静脈麻酔を併用することはまず聞きません。それは静脈麻酔は深くかかれば呼吸が止まるものだからです。麻酔科医なら気道確保してから、やってくれと言いたくあるでしょう。

静脈に入れた点滴の側管から痛みを止めるor眠らせる薬を入れると言うのは、H15年の代官山の美容外科や今年3月の新宿の美容皮膚科の術後の死亡事故の原因です。手術中に亡くなったり、術後に出血多量になったわけではないのです。マイケルも2日前には元気な姿を見せてましたから、やはりデュプリバンが原因でしょうか?

マイケルさん自宅から強力な麻酔剤 7月4日 読売新聞
 急死した米歌手マイケル・ジャクソンさんの自宅で、強力な麻酔剤「ディプリバン」が見つかって いたことが分かった。米メディアが捜査当局者の話として3日報じた。 通常は、麻酔医が手術で使い、静脈に注射する方式が取られる。 心臓には大きな負担となるが、不眠症に悩むマイケルさんは医師にこの薬の処方を求め、使用していたとみられるという。(*記事の「心臓」は「呼吸」の方が正しい)