美容外科と心因反応2

 美容整形してコンプレックスを解消するつもりだったのに、術後に腫れや内出血で驚いては不安になったり欝に落ちいったりする事は多いものです。
 しかし腫れや内出血もしくは合併症は、耳鼻科など一般医療の手術でも起りえるものなのに、美容外科の場合は、やはり患者さんの意識として、それほど真剣に考えられてない事の方が多いものです。それは我々の広告やカウンセリングに問題があることも多いでしょうし、患者さんも美容整形をつい簡単に美しさを手に入れられるものという先入観を持っているのだと思います。
 ですからその反動として術後の不安が頂点に達し平常心が保てなくなる人がいるような事には憂慮します。平成9年か10年でしたが、中部or関西地方で二重の全切開手術の翌日に発作的に自殺した人がいると聞いた事があります。どこまで本当か分かりません。でも有り得ることです。幸い私のクリニックや私自身の美容外科手術後に自殺した人は皆無ですが、術後直ぐに検診に来られ不安でオロオロしていた人、叫んでいた人は幾らでも見ました。色々反省することはあります。
 手術手技だけでなく心を診る。予測するというのは我々の勤めだと思います。やはり美容外科は精神外科でもありますね。