13回目の手術 【死ぬと言う患者⑲】

L型シリコンプロテーゼ*13回目の手術(続き)
彼は:透明プロテーゼは嫌だ
業者:白は規格にない 色はSmogとFleshの2つが規格品でSmogが圧倒的に製造
木村:過去に当院にSmog、Flesh、白の3色を納品しています。白も規格品のはず!
業者:真っ白は特注です・・・
・・・そしてやっと手に入れたプロテーゼは画像のものと似て(形は同じでは無い)必要とした更に厚いものでした。
ここで13回目の手術が超々難関であったのは、削り込みの手間などより、彼の希望である鼻先を上に向ける為に、L脚を殆ど切らず部位的には相当厚みのある物を入れた事です。
プロテーゼを6本程入れ差しし、そうしなければ彼の希望に近づかないと術中に分かったものです
彼とは3ヶ月後に軟骨に置換する話でしたが、未来は分からないですから、この危険とも思えるL型プロテーゼが3ヶ月と言わず半年から1年は鼻尖の皮膚を破かず保って欲しいという様にやりました。たぶん今はまだ皮膚は大丈夫だと思います。
過去に多数回のプロテーゼ入替、鼻中隔壁延長を何度も接合部から付け直してやり直し&全部除去、鼻孔縁皮弁形成(縫合の工夫)や鼻翼への軟骨移植&除去、鼻尖吊り上げ&鼻尖縮小&形成、等々で鼻の皮膚軟部組織は傷みきっていました。
特に鼻尖縮小は鼻先の組織を拘縮させますから、術前に「後々万一の修正が極めて困難」と説明していますが、それから2カ月も経たないのに、鼻尖組織を大幅伸長させなければ入らないシリコンプロテーゼ挿入術は正気の沙汰ではありませんでした。ただ彼とはその頃は信頼関係があった(と私は思い込んでいた)ので、これはミクロの決死隊になって、マイクロの手術の思いで零時過ぎから朝までやりました(零時過ぎからなのは前の手術の患者さんが零時過ぎに終わったからです)。