鼻の整形手術後に死亡のニュースを考察

鼻の整形で死亡とのニュースがあります。

(画像を読めば) 「手術を受けた。その後、呼吸を確保するため気管にチューブを入れる」

(下の画像では) 「(気管に入っていたのに)体位の変化などで食道に入る」ということで、極めて稀なケースのようです。美容クリニックで行う普通の鼻の整形ではなく、侵襲は大きそうです。

読売新聞の「その後」は誤植ではないでしょう。(下の画像の)共同通信社の「体位の変化」など術中に鼻の整形では無いに等しいですから。

本件は、術後に救急処置として気道を確保する場面が生じ(恐らく焦って)挿管したが、(入り方が浅めで、後で患者が首を大きく後屈した際に気道から抜けて屈曲が戻った際に)食道に入った。←こう推察します。そうでないと、例えば麻酔導入時の食道挿管に気付かず植物状態なら地裁で棄却は有り得ません。棄却になったのは「予見できなった。」からのはずです。

しかしながら高裁で有責600万円とは、本件では挿管チューブが体位の変化などで食道に入る可能性があることを医師は認識できたのに『ということにして』、その「医療水準に即した適切な治療が行われていたなら,患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性が証明されるときは,医師は,患者に対し,生命維持のための適切な医療を行わなかったことにより患者の蒙った精神的な苦痛につき不法行為による損害を賠償する責任を負うものと解すべきある(最判12年9月22日)。」を当て嵌めたのでしょう。期待権の侵害と軌を一つにする判断と窺います。判事は実地医療の現場を知らないので、その判断で医療者にスーパーマン的なことを求める人がいます。

なお上記、実定法の定めのない抽象的な「期待権の侵害」もしくは「期待権の侵害と軌を一つにする判断」を唱える判事は、是非とも病院に1週間ほど寝泊まりして、医療の実態を知って欲しいです。