女性医師をどう育てるか2・・・私の発言

木村:特に形成外科は顔にメスを入れたりする患者さんにとって一生に関わってくるような仕事をする訳ですから、第一線の医師である立場を続ける事と育児を両立させる事は本音を言えば無理だと思うのです。
ですから女性の医師が出産した後は、子供が中学を卒業するまではベビーシッターを高額で雇って赤ん坊の時は朝から夜まで、もう住み込みで居てもらう位で。子供が就学したら学校に行っている間はベビーシッターは居なくて良いけど、子供が帰って来る夕方4時か5時くらい迄には家に来てもらっておいて夜10時くらいにお母さんが帰ってくるまで居てもらい子供のお世話をしてもらう。そのベビーシッターには結構高額なお金を払う事になるでしょうが、それ位の気構えでやらないと行けないと思うんです。
また演題を聞いていて、皆様も思っているとは思いますけど、結局は患者の視点で考える。患者にツケが回って来ない為にはどうすれば良いかと考える時、キャリアアップ、キャリアアップって言いますが、医療と言うのは能率だけで行く訳でありません。また育児も能率でテキパキする訳にも行きません。どうしても雑務がすごい多いのです。その中で両立は絶対無理ですから、患者の視点に立つ為には、自分が女性医師として第一線に立つ以上は働いて得た金の半分以上はベビーシッターに投入してキャリアを維持するのが私は良いと考えております。
某女性医師:私は( 中略 )子供が不登校だったりして、ベビーシッターだけで子供が育つとは思えません。
木村:病院側が用意したベビーシッターでは本当の愛情は無いでしょうけど、さっき私が言ったベビーシッターとは、ある女性から聞いた事です。その人は「私は生まれた時から同じベビーシッターさんに中学卒業するまでお母さんと同じ愛情で育てられました。その人は私を本当の子供の様に愛してくれました。つまりお母さんが2人居る状況に持って行ったんです。」私はこれがベストというつもりで言いました。(続く)