局所麻酔単独・日帰り脂肪吸引の3週間後に急死の判例研究
脂肪吸引はKlein先生のTumscent法(俗称:スーパーウェット法)が確立してからは、局所麻酔単独でも出来る安全性の手術です。 しかしインターネット上では「脂肪吸引 死亡」との由々しきキーワードも散見されます。それで訴訟になった判例研究を紹介します。 この判例は重要判例として判事だった齋藤裁判長(民事49部総括)によって最高裁サイト掲載になりましたが、後に電話一本の「医学的に間違っています」の通報で削除依頼ではなかったのに、最高裁サイト上は初めての削除になった問題判例です。
概要被告医師証人医師鑑定医裁判長問題1問題2判決の工夫
30歳女性(身長156.5cm、体重64kg)が太腿内外の局所麻酔日帰り脂肪吸引900ccの3週間後に急死した(900ccのうち吸引前にtumescent液として注入する主に生理食塩水が約4割含まれるので純脂肪は500cc台)。
死因は深部静脈塞栓・肺塞栓(俗に言うエコノミークラス症候群)だった。
遺族は、太腿の脂肪吸引のために起きたと、院長と執刀医の2人を刑事告発ならびに民事訴訟提訴した(下記は産経新聞の記事)。
(閲覧注意:以下のリンクも表記も死体や解剖の生写真が表示、気分を害しそうな方は閲覧を止めて下さい。)
⇒事件の詳細と裁判の経過はここをクリック。判決では下の写真に見る太腿中央(膝上12cm辺り)の表在静脈である大伏在静脈内の孤立性の粒状血栓に術後3週間して急死したと死との因果関係を認めている。
これは杏林大学法医学教授の佐藤喜宣証人(以下「佐藤」と称す)が、表在静脈の「大伏在静脈は深部静脈」と言い出し、医学的な大前提が間違っているから後の説明も荒唐無稽なものになった。それに再度の反対尋問をしようとした被告医師に齋藤隆裁判長(現在、ひかり総合法律事務所の弁護士:以下「齋藤」と称す)が「1度尋問の機会を与えたから2度目は与えない。」と却下し、右陪席の裁判官が「仮に手術後に下肢痛を訴えていたと仮定しますと」との質問に「因果関係が大変強く結ばれるということにはなりますが~,そこはやはり専門の先生の鑑定なり意見を聞かれるべきだというふうに思います。」と証言して、証人尋問が終了したが、尋問終了時刻を1時間余り残して早々に切り上げた。齋藤の「2度目は与えない。」と却下した言葉は事前に告げもせず被告の正当な反対尋問権の妨害であったが、調書からこの裁判長の不当な言葉は削除しており、公正さに反している。
そして鑑定人には何故か血管外科に全く素人の昭和大学形成外科の原口助教授(以下「原口」と称す)が撰ばれ、鑑定書では剖検など裁判記録の照合一切なしに因果関係有りの鑑定をした。しかしその裏付け資料として挙げた資料が裏付けとなっていないのは別頁の詳述のとおりである。
また鑑定書5頁の下から4~5行目に「下肢痛・腫脹という訴えの緊急性の認識度によるが」と書くが、「下肢痛」はこの指摘日の5日前に整形外科認定医の診察を受けたカルテが乙第11号証で提出されており、脂肪吸引をした部位でなく左膝より下の部分の痛みで、カルテ所見から椎間板ヘルニアからと診られる坐骨神経痛であった。
また「腫脹」は裁判資料のどこにもその記載はない。死体画像を小さく載せたが、見てのとおり下肢の腫脹など画像的にも認められない。鑑定書は結論に導いた理由が書いてないか、書いていても間違っていたり、論拠にならない論文を資料として挙げては番号を振っただけのものが多い。
しかし齋藤は、判決文で被告医師の因果関係無しとなる血管外科専門医の書いた成書、学術誌投稿、多数の回答書からの主張を全く判決に記載していない。脂肪吸引と死に因果関係があるようなことを佐藤は供述し、原口は因果関係があると見做した鑑定をした。この2人の見解の採用している。
この患者さんは上述のように亡くなる5日前に整形外科受診をしているが、死の前日(勤労感謝の祝日)に階段から落ちて足を捻挫し、突然アポなしで湿布貼付希望で来院している。この時にクリニックには医師1人で顎骨削りをしている最中であった(予約手術中の患者(←クリック))。その手術中の患者さんをを放り出しても捻挫を診るべきと医師に、550万円+支払遅延損害金の賠償の判決を命じたのである。この時に受付は医師に来院を伝えたか否かが争点となり、裁判所は受付を「原被告とも利害関係のない第三者」と判示している。しかし受付は時効後に「私まで訴えられたくなかった。」と嘘をついたことを認めている(その旨の書面が存在する)。
⇒形成外科等(脂肪層での)手術後エコノミークラス症候群で死亡すれば医師に損害賠償できる患者側弁護士援助の先駆的判例。ここをクリック。
当時の「期待権の侵害」「適切な医療を受ける権利の侵害」は、手術中の患者を無視して構わないはずはない。これが一般人の感覚だろうが、この判決にはそれがない。尤も鑑定書も顎骨削りの患者のことを一切書かずに捻挫来院に「まず診察を行うべきであった。」とある。
伝達義務違反逃れのため嘘で「伝えたと思います。」と言った『私まで訴えられたくなかった』受付に「原被告のいずれとも利害関係のない第三者」との判示、また「当初は足の痛みを訴える電話がかかってきたことを伝えられてないと述べていたのに(乙第45,第46号証)~本人尋問において何かそういうことは聞いていたと供述を変遷させる」との判示がある。しかし乙第45,第46号証は「緊急性,重篤性が伝えれてない」と書いており、判決文の読み手には裁判記録と照合しないの内容と反することを判決文で書いても分からぬと謀ったと窺われる。そして「供述を変遷」から被告医師は捻挫のことは聞いているとの判断である。そして判決文中で「受付担当の■■に対し,階段から落ちて足を捻挫した」と書いているのに、550万円の損害賠償を下す前の項で「来院を告げられてその訴える下肢痛等に着目して血栓の発生を」と、「捻挫」と「血栓」をスリ替えさえ行っている。~~~~~~~~~~~~
※この判決は令和4年まで最高裁サイトに18年以上掲示されて⇒判例検索で脂肪吸引と入れると直ぐPDFが表示されるし、Googleで「脂肪吸引 判例」での検索でトップ頁に表示されていた。。
判決文では「階段から落ちて捻挫した」事実を挙げており、またその5日前の左膝下の神経痛の整形外科認定医の診察で既に両太腿の痛みはなかった証拠や剖検医は下肢深部静脈である「大腿静脈と下腿静脈に特記することはない。」と回答が提出されているのに、判決文で賠償を課す前の「下肢深部静脈血栓に起因する痛みでの診察希望と虚偽を書いている。剖検では下肢深部静脈に特記することはないとの回答や、急死の5日と6時間前に患者自らが左下腿外側~足背の痛みだけを訴え、整形外科認定医に両下肢を精査してもらい椎間板ヘルニア疑いによる坐骨神経痛と診断した証拠が出ている。この主張も無視され下肢に腫脹が無かったのは死体画像からも分かることであるが、判決文では死の前日の捻挫来院が、下肢深部静脈に基づく痛みとして診てもらいたかったことと捏造されて判決文が書かれている。裁判所の判事の殆どは真面目で公正な方々と信じたいが、医師の世界にも偏向思想の持ち主や犯罪者が現実にいるように裁判官にも居るのではないか。裁判官の場合どんな有り得ないな判決文を書いても故意が立証されないと責任を問われず、国家賠償で済むし現時点で誤判に被害者が提訴して(元)裁判官が敗訴して例はない。これでは自浄作用が働かず、トンデモ判決も存在し続けることになる。
近年の乳腺外科医裁判の控訴審も術後患者が病棟に戻って来た後、執刀医が患者の乳頭を舐めながら自らの陰茎をしごいてオナニーしたとの患者供述に裁判長は「迫真性がある。」と認容し、医師に執行猶予なしの実刑2年を言い渡した判決があったが、これは医療人のみならず一般人の感覚から逸脱しており、被告人医師の病院側の猛運動で何と最高裁が事実審に疑義を呈して差戻しを命じ再度の高裁審理で無罪が確定した。この判決は確定しているが皆の知る権利や公共性・公益性のために裁判記録の解説と共に開示し、またこの判例に対して派生した訴訟の判決も同様に開示する。Xとの連動で皆さまのご意見を給わり国民の審判を仰ぐべきものと考える。 ■ 平成10年(ワ)21833号 ■ 令和4年(ワ)20949号証 ■ 令和5年(ネ) 3053号 ■ 令和5年(ワ)11323号 ■ 令和 5年(ネ) 6104号証 ■ 令和6年(ワ)30568号証


事件とされたクリニックは新規開業して間もなかったため、患者手術日に開設管理者の院長が不在で、出向を頼まれた脂肪吸引ではベテランの医師が呼ばれ、カルテにある院長と思われる術前カウンセリングでの予定通りの太腿内外の局所麻酔日帰り脂肪吸引を患者に行った。
吸引した脂肪の量はTumescent液(脂肪ふやかす局所麻酔剤を含んだ主に生理食塩水)の含有量も含め900ccだったので純脂肪換算で540cc程である。患者はリカバリーで休んだ後で、独歩で帰宅した。
患者は抜糸予定日にも来院せず、執刀医が別日にその医院に再び出向する際に合わせて検診予約を取ろうと受付から電話すれば、患者は「(本人じゃなく)姉」であると述べるなど意思疎通ができない事があった。判決文にもその事実の記載はある。
裁判になって分かった事実は急死患者は日頃から多数の向精神薬などの薬を服用しており、母親も長年「統合失調症」で精神病院に入院していた。
なお太腿内外の脂肪吸引の12日前に、上記の開設管理者の院長から患者は下腹部と上腕半周の局所麻酔日帰り脂肪吸引を受けていた。脂肪吸引量は2100ccでTumescent液を含んでのものと思われる。〃
開設管理者の院長も提訴されたが、第1回期日後に自己破産して裁判から抜けた。

昭和大学形成外科の原口助教授は鑑定人として、脂肪層にある表在静脈が原因で肺塞栓を起こすと鑑定したが、提出した裏付け資料は鑑定に沿っておらず反対の内容もあり、また血管外科的に詳細な病理所見に照らすことを省いて本件の太腿内外の局所麻酔・日帰り脂肪吸引が深部静脈血栓・肺塞栓原による死亡原因と鑑定した。
また執刀医が術前の血液検査やレントゲン撮影等の検査義務を怠っていること、術後数日入院させなかったことを過失と鑑定した(なおその医院に血液やレントゲンの検査機器は無い)。
そして脂肪吸引から20日後に患者が階段から落ちて捻挫したので診て欲しいとアポなしで来た際、執刀医は予約患者の手術中で、受付は診療科違いで他科転医を促したが、そのことをその時点で執刀中の医師に告げていなかった中で、鑑定医は「まず診察を行うべきであった。」と鑑定し、それは判決文に反映された。
⇒大学病院の医師の鑑定書は不適当で添付資料が裏付けにもなっていない欺きがある等はここをクリック。
⇒(肺血栓塞栓症の起因静脈に)表在静脈が原因となることがない訳でなく(資料1、28、31)とは。

佐藤喜宣伝教授が証言した「大伏在静脈は下肢深部静脈」とは医学的な大間違いで表在静脈であること、右太腿中央部の大伏在静脈内に微量の一部器質化した血栓が見つかったところで、孤立性血栓に過ぎず、それが深部静脈血栓とは無関係なのが医学的には当然である。
しかし佐藤喜宣伝教授の口頭だけの太腿中央部の大伏在静脈内の血栓は深部静脈に繋がっていた(この場合十数cmに渡ることになる)との嘘の証言や、静脈炎による「血栓性静脈炎」と深部静脈の流れの鬱滞による「静脈血栓」を混ぜこぜに証言して裁判官に医学に基づかない間違った心証形成をさせた。
また大学病院の鑑定医は血管外科には全くの素人であり、鑑定人選定自体が誤っている。
そして鑑定医は鑑定事項の回答の裏付けとして出した論文が裏付けになってないものばかりや、むしろ反対の事を書いている抄録もあり、大学病院医師が街の美容外科医を潰しにかかったとしか思えない論評となることさえ有り得ると思える。
それが尤もなのは(手術中の予約患者を放り出しても)美容クリニックで捻挫にアポ無しで来た患者に医師は受付から来院を告げられてもいないのに「まず診察すべきであった。」と鑑定していることである。
佐藤喜宣伝教授の「大伏在静脈は下肢深部静脈」の誤った大前提での供述は被告医師側に想定外だったので、代理人弁護士は事前の反対尋問を続けることが出来ず、被告医師が続いて医学的な誤りに対しての矛盾を突く反対尋問をしようと挙手したが、裁判長は「一度発言の機会を与えたので二度目は与えない。」と却下し、直ぐ右陪席の裁判官の短い尋問に移り佐藤教授の尋問は終了したが、予定終了時刻まで1時間余り前に終わらせており、これは被告医師への判定尋問権を阻止した違法な訴訟指揮であった。
また「「~二度目は与えない。」との自らの発言を調書から勝手に省いて印刷させるなど、裁判の公正さを全く欠くものでもあった。
更に捻挫自体は翌日の急死に繋がるものではないし、捻挫とは別に翌日の急死に繋がる深部静脈血栓があったとしても、エコノミークラス症候群同様に、診断機器も無い中では医師が診断をつけることは殆ど不可能であった。
このような被告医師側の数々の主張や立証の証拠も殆ど読んでいないが如く、証人佐藤教授の調書と大学病院医師の鑑定書に頼った判決文となっていた。
太腿内外の脂肪吸引の12日前に、A医師は下腹部の脂肪吸引を鼠経部アプローチにて吸引管を刺入しているので、本事件の剖検で深部静脈である腸骨静脈に一部器質化した血栓を多量に見つけた点から、距離的に近い鼠経部アプローチによる可能性を被告医師は主張した。
鼠経部では深部静脈は股関節の前を超えて通って来るので比較的浅く、A医師の技量が拙劣なら脂肪吸引操作のつもりが何度か右外腸骨静脈を突く操作を行った可能性は考えられるが、剖検では調べておらず、この推論は無視された。
(大伏在静脈内の微小血栓は太腿中央部の孤立性血栓であり、剖検で腸骨静脈より末梢の深部静脈である大腿静脈に「特記することはない。」との剖検での回答から考えると、右腸骨静脈に一部器質化した血栓を多量に見つかったことはA医師の手術で独立して起きたとも考えられる。A医師は実は内科医で、卒後は大学院の4年間を除けば臨床経験3年半であり、内科医がどれだけ脂肪吸引のトレーニングを受けたかは不明である。それもB医師は主張したが、被告を外れたA医師の責任は一切判決文で取り上げられることは無かった。
