鼻中隔延長と同じような効果が出せて安い手術

日本美容外科学会で鼻中隔延長の発表があったのは私は平成18年秋だったように記憶しています。そこから数年しないうちに急速に普及し、今は鼻を目立つくらい美しくするには鼻中隔延長が定番になっています。
では平成17年以前に、「鼻を目立つくらい美しく、ハーフっぽく仕上げる手術はあったのか?」というと有りました。
このモニターさんは鼻中隔延長が流行る前に手術を受けた人です。L型プロテーゼの鼻先に軟骨をつけたハイブリッドプロテーゼ手術です(画像クリックで拡大)。

この方のご家族は当院に時々来られますから「どうですか?」と聞けば、「相変わらず美しいですよ。」と聞かせて頂いています。

鼻先に軟骨をつけるにしても『L型プロテーゼを使うのは技術が古い。』と近年は非難されるので、あまり大きな声で言えないのですが、元々鼻先を下げないならば鼻先にプロテーゼが来ても問題がないのが殆どだから皆の医師がやって来たことですし、鼻先を上げる形状でしっかり鼻を高くする際にはL型の鼻先部分のプロテーゼに自分の軟骨(モニターさんのような鼻尖縮小の際に部分切除した鼻翼軟骨、または耳介軟骨)で被うなら問題は出難いものです。

鼻中隔延長が広く普及している現在、ハイブリッドプロテーゼの(特にL型+軟骨)に出番はあるんですか?となった際に、下記利点があります。
①価格が安い(肋軟骨での鼻中隔延長+I型プロテーゼの3分の1くらいで済む)。
②術後の曲がり変形が無いに近い(鼻中隔延長だと名医でも術後に軟骨が曲がったり、軟骨を多量に使う分、吸収が過ぎると術後早々は良かった形状が後で失われる)。
③後年プロテーゼだけ抜いても又良い(若い時に凄く綺麗になりたいと思っていた人が四半世紀を経てば「素の自分に戻りたくなった」と言われることは珍しくなく、ハイブリッドプロテーゼならまあまあ叶えられます)。

今年の夏に27年間プロテーゼを入れていた人が心境の変化で元に近く戻りたくなったとのことで、嘗て名医として有名だった医師が入れたプロテーゼを抜いたものを挙げさせて頂きます(患者さんの了解も得ています)。

整形手術とは本来はやらなくても良いことをやるのですから「可能ならレストアできる道」も残しておくべきかと思います。
ですから私が若い頃に今は引退されている先生方から「若い人には埋没法と二重と鼻・顎のプロテーゼだけで望みを叶えるように。」そのような指導を受けることが多かったです。