美容医療の闇「直美」とは? 保険診療科から若手医師がいなくなる

表題の言葉は昨日のニュース記事に掲げられていました。「背景に“本当につらい”労働環境」と続きます。
これに関して私も投稿しました(下記)。
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美容外科医です。
国民皆保険では、提供する医療の価値より遥かに低い保険点数しかなく、医療機関は医療者に過重労働を強いては適正な給与を払えず、且つ医療機関自身も赤字続きで存続が困難になっている。
大学病院は相変わらず無給医局員が大勢おり、基幹病院も医師が月200時間くらい残業せざるを得なくても残業代をまともに払わないから医師の時間給が2000円未満のところは多い。
しかし美容医療機関は提供する医療の価値に応じた診療報酬を患者自身から受け、担当医も相応した給与を貰っている点ではマトモである。
―――――――――――――美容外科への直美問題
国民皆保険では手術すれば点数が低すぎて赤字になりますから、他部門で補っていますが、それでも公的病院の多くは赤字です。
最初からビルの一室で「手術なし入院なし軽症患者を素早く多数診て薬処方」に徹すれば国民皆保険診療で結構な黒字経営はできますが、儲からない高度医療は公的な大病院にやってもらっており、大病院に勤める医師は病院の経営が苦しいだけにロクな給料も貰えず夜も休日も診療させられる羽目になり非常に不公平です。ですから記事の表題は正しくは、「大学病院や基幹病院の保険診療科から若手医師がいなくなる」が正しい表記となります。

さてヤフコメだと美容外科に対しては忌避的な意見も多いのですが。私の投稿へのレスの一人は有難いと思いました。転記させて頂きます。
国民皆保険が異常で美容外科の方がまとも―――――――――――――
国のシステムのほうが異常で、美容外科がまともだという意識をみなさんにも持って欲しいと思いますね
わたしの子どもの1人は医師ですが
チーム医療を総合病院でしたいが、日本の異常な働き方には付き合えないと、現在は海外で働いています
8時間勤務で日本の勤務医の1.5倍くらいの給与のようです
現在医学部の偏差値は非常に高いので、
美容外科に行く医師を制限しようとしても、国外に出る、という方が増えるだけだと思います
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Yahoo!に出るニュース記事も的外れなものが少なくなく、ヤフコメの上から10人くらいの投稿の方が正しいことも多いです。
歴史の記事でも、せっかく学者の記事を抜粋したのに、まとめとしてクーリエ・ジャポンの編集者が表題に挙げたことが的外れなことがありましたので、私は投稿しました。これは私の独自意見でなく、村瀬興雄先生の著書の反映です。高2の時に読み、以降に照合してもこのご見解は揺らくものでないと考えています。