医療訴訟での鑑定書は学会に提出し学会は判決とセットでHPに揚げるべき
ワキガ手術の投稿で、「なるほど」のクリック数が1500超えた事を先日書きましたが、4日前に私は医療訴訟の鑑定人の事を投稿したら「いいね」が本朝には3000に迫り、「なるほど」も1500超で驚きました。乳腺外科医事件などで鑑定や証人の医師選出の問題が浮き彫りになっていますから、このクリックは医療者が多いはずです。投稿にも「医師です。」「薬剤師です。」と名乗っている人も散見されますし。
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表題⇒【手術で誤った血管を切断・・・介助なしで外出できなくなる 男性(52)が3億円の損害賠償求め日本赤十字社を提訴、医師を刑事告訴の方針】
私の決め台詞⇒・・・だから私は学会でも発表したが、オカシナ鑑定を横行させないために、鑑定書を書いた医師は裁判の結審までに所属学会に鑑定書を提出。学会はHPにその鑑定書と判決文を掲載とする。提出を怠った医師は学会を除名とする。 これは鑑定書の質を保つため。
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それで本朝の似た記事、嘗て私が奉職した湘南鎌倉総合病院の医療事故に投稿してみました。
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表題⇒【病院で手術後、腕の神経まひ…病院側に過失、横浜地裁が徳洲会に1380万円賠償命令】
私の投稿全文⇒ 医師です。報道から読み込めば、腕神経叢に出来た神経鞘腫か神経線維腫となりますが、疾患自体が極めて稀です。
報道では「神経腫瘍と診断していれば摘出手術は実施されず、男性にまひが生じることもなかったなどと判断」とありますが、良性でも腫瘍が大きくなって行けば麻痺などの神経症状を出しますし、悪性なら若しくは悪性化していくなら放置も出来ないです。 MRIで良性・悪性の鑑別は難しく、生検または病変摘出の上で病理診断となりますが、生検だけでも報道の橈骨神経や正中神経または尺骨神経麻痺を起こすことがあります。
訴額が約7000万円と大きく且つ争点の内容から、恐らく裁判官が鑑定人を選出し、その鑑定書に基づいた賠償認容の筈です。
私の提唱ですが、『鑑定人は鑑定書を裁判の結審までに所属学会提出し、学会は判決と共にHPに掲載し皆に検証の機会を与える。鑑定書を出さなければ学会除名。』これが鑑定の質を保ちます。
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4日前の記事は投稿総数660に対し今日の記事はそれが50で私の投稿への「いいね」が247、「なるほど」は48ですから、比率的には本日の方が「いいね」が少し増え、「なるほど」は半分以下ですね。医療事故の4日違いの記事ですから読者は半分くらい重なって、4日前に「なるほど」を付けた人は本日はもうクリックしないものと思われます。
鑑定書は医療訴訟の判決で決定的な影響を持ち、それで歴史的な判決になるものもありますから、鑑定書とは医学論文と同じく鑑定人医師の「業績」にすべきです。
しかし中には鑑定料50万円超を貰うためだけのネーベンアルバイト感覚で引き受けるその分野の非専門医もいます。当然オカシナ鑑定書の提出です。そういう不埒なことがあるのは、鑑定人は鑑定書の内容に民訴法上は「無責」でいられるし、鑑定書は専門分野が同じ医師の目に触れることも非常に少なく、恥は掻き捨て出来るからです。
ですから、優れた鑑定書は業績とされるため、また低質でイイカゲンな鑑定書は出現阻止のため、所属学会が学会員に鑑定人になった場合の鑑定書の提出を義務付け、いずれ判決文とセットで載せて公開するのは、医学と法学で現状の問題を1つクリアできるものです。