日本美容外科学会をひとつに(波利井清紀先生)続き

 私は敢えて言ってしまいますけど、両学会首脳部に役員の強い確執があるんです。これは位置的に、むしろ個人的なものだと思います。それをISAPSと関連付けて仰る方もいる。ISAPSがあってJSAPSがある。だけど国際学会なんて、要するにこちらが金を出している訳ですから、国際学会の言いなりになる学会なんて無い訳です。そもそも学会というのは会員の金で成り立っている訳ですから、学会が何を言う可にを言うというのは間違って、会員がこのようにして下さいと言えば、学会はそのようにするというのが本来の学会のスジで、ISAPSが形成外科の専門医でないとJSAPSに入れてはいかんと言っている事自身がそもそも間違っております。それは飽くまで個人的見解だと思います。どなたとは言いませんけどね。
私の本日のメインのお話は、先程、専認構、専認構と言ってますけど、私は単に機構と言います。10年位前は新しい専認協というのが、私が形成外科の臨床の時に出来まして、専門医を作る。その時に2階建てにして、基本領域診療科を作る、それに何とか参入しないと我々形成外科医は全部、外科の2階建てになってしまうという可能性がありまして、必死で野崎先生とお願いして、やっと18の基本領域診療科に入れて頂きました。それが専認協と言っていました時は全然Functionしなかったんですが、それがこの数年間、『機構』に改めまして、これはバックに厚労省が居る訳ですけど、新しい専門医制度というものを作ろうとしております。
これは日本の医療の将来に向けてということなのですので、これに対して、この2つの学会がどう対応すべきかという事を今から述べたい。
まず機構の目的なんです。平成20年、専認協から変更になった時、現在の基本領域18の専門医制度とSubspecial領域17、この17は内科と外科です。を承認して、それ以外の専門医制度は今後、検討、認定するとしております。この目的は広く社会に評価される専門医制度の確立、各学会の専門医制度の評価・認定および専門医の育成、生涯教育の促進ならびに専門医制度に対する社会の理解を深めるための活動。これは厚労省が口を酸っぱくして言っております、 国民は等しく安全で質の高い医療を享受出来るようになる。これを代弁している訳です。
日本の医療の将来像は専門医を中心とする医療。安全で安心出来る医療。という事でございます。先程、話もありましたように、国の施策によってかなり違ってきますから、この機構の描く専門医の将来像に我々が乗って来るとすると、どういう事になるかと言いますと、一つは皆さんが誤解されているのは、形成外科が18診療科にありますけど、この変更はありません。何があっても当分の間という変な言葉が載っているんですけど、20年~30年は基本的診療科のままでしょう。 基本領域を外されることはない。基本領域診療科以外は基本領域のSubsupecialityと位置づける。という2つの大前提があります。この2つの大前提の中で各領域が公正且つ相互に認められる、つまり  Aが非常に易しい専門医であって、Bが非常に易しい専門医では困るのです。この相互に認められる専門医制度を確立する。(続く)