鼻尖縮小後のギブスとイリザロフ法

鼻尖縮小後に太くなった症例写真

 鼻尖縮小術後にケアが悪いと写真の様に様に術後ギブスを外した直後は良い感じでも、後日は術前よりより太くなってしまう人がいます(リンク先下段)
 このことを私は以前に美容外科学会で発表しましたが、実は考えの根底にイリザロフ法があります。イリザロフ法は骨を増殖させて伸ばす手術で、骨の太さは健常部と同じ太さものが得れます。軟部組織は骨ほどでないにしても30~50%の増殖が見込めます。チューインガムを引っ張ったように、伸びたぶん細くなるのではないのです。これを整形外科学会で、「メカニカルストレスによる骨・軟部組織の増殖」などと言います。
 写真の様に鼻尖縮小後、一時的には細くなったのに3ヶ月過ぎるころには、術前より酷く太い鼻になった人に対して詳しく経過を尋ねてみますと、かなり激しく自宅で使うギブスで鼻を締め上げていたのです。それも何回も。これは術後間もない炎症が落ち着いてない頃から激しいマッサージを毎日繰り返していたも同じで、良かれと思ってやっていたことが皮下にストレスを加え組織増殖を招いていたのです。これを学会発表の際は「ズレ応力による組織増殖」と言いましたが、本音は『イリザロフ法のメカニカルストレス同様の組織増殖の原理』と言いたかったのですが、整形外科に縁遠い先生には唐突な言い回しに聞こえるでしょうから、無難に喋りました。