鼻のプロテーゼ/シリコンとゴアテックス

鼻のシリコンプロテーゼとゴアテックスプロテーゼ 鼻のプロテーゼの入替+鼻先耳介軟骨移植を行った際に、出てきた物の画像です。シリコンとゴアテックスの組み合わせでした。

患者さんは「ゴアテックスも使ったとは何となく聞いていました。」との事でしたが、私からすれば何でシリコンだけで作れるものをわざわざこんな風にしたのかなあ?というところです。

さて患者さんが「プロテーゼとゴアテックスですか。」と言われたので、私が「シリコンプロテーゼとゴアテックスプロテーゼですよ。」と言い直しました。
他の患者さんからも同様の言われ方をした事があるのですが、『Prothese』とはドイツ語で『人工器官』の意味です。ところがどうも「シリコンプロテーゼ」を略して「プロテーゼ」、「ゴアテックスプロテーゼ」を「ゴアテックス」という様に話される患者さんが少なくありません。

ゴアテックスはテフロンとウレタンの合成材料です。レインウェアに使う素材として一般的にも知られたもので、防水透湿性(水は通さないが水蒸気は通す)を持ちます。柔らかいので鼻で使うとしたら鼻根部~眉間にかけて白人のような広がりを作りたい時に有用です。

私が初めて使ったのは茅ケ崎徳州会総合病院勤務の時で、年配の人の膝の靭帯再建手術に使いました。メッシュ状に作ってあり生体組織が入り込んで行くものです。当時の日本整形外科学会誌には論文が幾つも出ていました。しかし今は自家組織を使って再建する方が主流です。