脂肪吸引は形成外科領域では無かろう

私が脂肪吸引を目の当たりにしたのは昭和63年でした。当時、私は美容外科天神の長谷川院長の元で非常勤勤務(月4~6回)をしており、院長は全身麻酔下に脂肪吸引を自己血輸血までして精力的に行っていた時、私も実際にカニューレを持って吸引を院長と一緒に行いました。(画像の拡大は≫こちら) そして脂肪吸引に参加して、『これだ!』と思いました。
それは私が整形外科に入局してしまった以上、四肢・ヒップ(尻)・脊椎(背中)の整形外科で得る経験は、その部位の脂肪吸引に役に立つだろうと思ったからです。
実際に人生はそうなりました。私は平成7年~14年までは年に3日位しか休まずクリニック掛け持ちで朝10時から夜中零時前後まで働いていたので、特にH7~9年、12、13年は脂肪吸引をする事は多く、平成7年秋からの1年間は、ほぼ毎日脂肪吸引をしていました。あの頃は脂肪吸引以外に有効な部分痩せ治療が無かったので、非形成外科系の美容外科医師なら、「そう言えば脂肪吸引ばかりやってたなあ。」と思い出す人は多いと思います。
さて私の整形外科での専門領域は四肢外傷です。結構良い結果を出して来た自負はあります。だから医師によっては「脂肪吸引なんて肉体労働だから嫌だ。」と言う中で私は四肢治療に愛着がありましたから朝から夕刻まで飯も食わずに延々と脂肪吸引をやっていた事は多いのですが、その技術のエッセンスとして平成15年「上腕の脂肪吸引」と題してJSAPSの美容外科学会で発表しました。すると後日、美容外科学会誌への投稿依頼が来ました。“ 会報編集委員長 百束比古 ”とあり、「あっ!日医大形成、百束教授だ」と呟きました。汗)= 続く。