浅田真央とリプニツカヤが転倒は残念

リプニツカヤ金メダル候補の2人ともSPでは転倒し、5位、16位となったことは誠に残念です。浅田真央の結果を知った後で、森元首相は「あの子、大事な時には必ず転ぶんですよね。」と講演の際に発言したそうで読んで憤慨しました。
さて、SP前の報道でリプニツカヤのキャンドルスピンを見て非常な柔軟性と高速回転には驚愕しました。もう異次元の世界です。この15歳の天才少女を見て、昔モントリオール五輪で満点の採点を得て金メダル取ったルーマニアのナディア・コマネチを思い出しました。やはり天才少女と言われ当時14歳でした。
あの頃の東欧・ソ連といった社会主義国は国威発動のためにオリンピックでメダルを取ることを非常に重視しており、特に嘗ての東独(GDR)はメダル数で世界3位を取ったこともありました。
東独ではスポーツ教育が幼児期から政府・党の指導の元に組織的に行われていましたが、これは西独のブラントが東独を国家として承認するまで西側から国家として看做されていなかったので、オリンピックを国家としての存在を主張する政治的な好機としてからでした。
ライプツィヒ体育大学などでスポーツ選手は科学的方法で絶えず選抜され、医師の厳重な管理の元に記録向上に専心させられていたものです。
そしてメダルを獲得するほどのスポーツエリートは数々の恩典が与えられていました。まず一般国民では許されなかった西側諸国へ旅行する特権が与えられ、経済的にも恵まれ、広い庭付き一戸建て住宅に住め、高性能な日本製のステレオを買う事も出来たものでした。
東独は西独に吸収され今日のドイツに成った訳ですが、東独でのスポーツ科学のノウハウは今もドイツ・ライプツィヒ学派として受け継がれているそうです。