鼻翼縮小の傷(鼻孔の形の逆涙型修正)の手術

鼻翼縮小は凄く件数の多い手術ですが、下から見た時の、鼻孔形状を自然に作るのは少し難しいです。要はデザインの問題なのですが、鼻孔の底面の外側に傷が来ると同部が尖って逆涙型の不自然な形になりがちです。
添付画像(クリックで拡大)のように鼻孔の底面の中央寄りに傷が来るようにすれば、かなり自然に仕上がります。

困るのは鼻孔の逆涙型の形状再建の再手術です。
この場合、まだ鼻翼の肉厚等の追加切除の余地があれば、まだ対応できます。この時の問題は前の傷と今回の傷の間の皮膚の血流が悪くて壊死を起こさないか?ということです。

私は常勤医師としてのスタートは整形外科(非常勤医師としてなら1年目から美容外科)でしたので、下腿外傷を相当扱って来ましたが、中高年の下腿の傷は過去にも怪我で傷があったのに又傷が付いた際に挟まれた部分の皮膚が壊死を起こした人を複数見ています。
これは下腿は顔面と比べれば明らかに血流が悪いからです(逆に言えば顔面の血流は相当良い)。下腿の開放骨折で化膿性骨髄炎となってしまうと何年も治らない人がいます。しかし顔面でエラとか顎の骨切りで化膿性骨髄炎なんてことは通常ないです。これは単的に血流の差と言えます。

話が鼻翼縮小の再手術での前の傷と今回の傷の間の皮膚の事に戻りますが、若い人で喫煙しなければ何とか血流が確保され壊死になった人は私は経験がないです(しかし高齢者でヘビースモーカーだと極めて危ない≒壊死)。

そうは言っても、このような部位はとにかく同部の組織にダメージを与えないように極めて愛護的に扱っています。
そして患者さんには術後1週間は絶対に①消毒しない(消毒薬は毒薬ですから生傷に付けてはダメ)。②常に湿潤状態を保っておく(軟膏を塗っておく等)。を守ってもらっています。

※昨日のニュースの感想を書きました。