生命だけは平等だ(徳田虎雄先生)

徳田虎雄先生ここに古い本があります。昭和54年に出版されたものです。表紙の人は41歳くらいの頃の徳田虎雄先生(前徳洲会理事長)のお姿です。
私はこの本を何度も読んでいますが、赤裸々な生きざまが綴ってあり実に手応えを感じます。
私は医学部卒業後は大学医局に入局したものの徳洲会に魅力を感じ、途中から湘南鎌倉総合病院・茅ヶ崎徳洲会総合病院に勤めましたが、この2つの病院は私の医師人生の根幹をなすものです。
在職中に一度だけ皆と徳田虎雄先生の講演を聞きましたが、「世界を癒す医療改革はどうするか!」のようなお話だったと思います。スケールが大き過ぎる話でしたが、私など『大きな事を成す人は物の考えからして違うなあ。』と唖然としていました。すると講演の後で、病院見学に来ていた恐れを知らぬ医学部学生が「ロマンチストの夢ばかり聞かされた様で意味が無かった。」等と発言しましたから、私は「なっ何と不遜な事を言うんだ!!」と驚きました。すると徳田先生はその学生をキッと睨んでは反論を始めました。しかしここで私が又驚いたのは徳田先生が上から目線でなくて対等の感じで強烈に喋られる姿にでした。
徳洲会新聞には「直言」というコーナーがあり、病院職員が考えを語っているのですが、徳洲会は学閥は無く年功序列もさして無く、真剣に考えた事なら下々の職員の声を聞いてくれる風土があります。直言と夢・希望・ロマンが徳洲会だと思っています。しかし多分に過重労働は強いられます。医師の場合、若い先生だったら恐らく今だって週100時間労働ではないでしょうか。しかし、やりがいを感じるから、それに耐えて頑張れる、頑張った甲斐を見い出せる。そこに皆が徳洲会入りする理由があると思います。