外科系他科医に形成外科専門医取得を条件とするのは再び新入医局員となって奴隷奉公しろ。という事に近い

  (続き)道が開けたというのは、某先生の場合、形成外科が標榜科となって初めての春の昭和51年に卒後7年目で、後々有力者を多数輩出したあの形成外科へ入局しても新卒入局者とは6年も臨床経験に差があるから流石に別格扱いで翌年は講師となりました。そういう先生方の事を言います。再入局以前に培った実力を正当に評価してもらえた時代です。
しかし形成外科が標榜科となり10年以上すれば医局も権威的な体制もシッカリ構築して、そこに外科系他科から入っても「例え卒後何年経ってても実力的には3年目、医局員としては1年目扱い・・・。」と“奴隷”として入らざるを得ないシステムに変わっていった筈です。私自身は整形外科の後で形成外科に再入局も考え相談に行けば某大学形成外科医局長から、そのような厳しい話を受けた事があります。そして仮に奴隷奉公に甘んじ、形成外科に4年在籍して大した手術をやれないままに専門医申請の資格を得た後、大学にはその先に美容外科をどんどんやれる環境にはありませんから、大学医局を辞め、どこかの美容外科に就職しようとすれば全国的に有名な大手美容外科クリニックしかありません。そしてそこには形成外科専門医だからと特に優遇も無い状態でした。平成5年~10年位の時代は、そういう傾向でした。今は少しは違う気もしますが、大きくは違わない様です。
だから大学の医局に入局年での厳しい序列が付いて回る封建制がある限り、2つの美容外科学会の合併においてJSAPS側が特に「形成外科専門医」を取得を条件にした場合、外科系他科医師は「入局して奴隷奉公しろ。在籍4年程度で大した手術を回してもらえると思うなよ。」的な内情を考えれば、なかなか受け入れ難いのです。