硬膜外麻酔:上手く行けばメリットが多い

硬膜外麻酔:カテーテルから麻酔薬注入のコピー ただ腰痛での硬膜外ブロックでも麻酔を注射するわけですから、しばらくは血圧を測りつつ容体チェック要し気軽という訳ではありません。また硬膜の内側は髄液に満たされ脊髄と馬尻神経が入っており、針をもう2~3mm押し込んで、針先が硬膜内に入ってしまっても、いつもの調子で麻酔薬を入れれば血圧の大幅低下、ショックを起こしかねません。その対応が悪ければ医療事故を招きます。
 ですから、私が昭和63年初めて日本美容外科学会(JSAS)に出た時に、丁度「硬膜外麻酔で行う豊胸バッグ手術」との演題があり、さっそくフロアーから、大御所の先生から「一番危険な麻酔で何でやるんですか!との疑義が出ましたが、上述の理由でしょうし、当時、豊胸バッグは全身麻酔が主流でした。
 しかし上手く掛ければ(!) 全身麻酔より硬膜外麻酔の方がメリットが多いと豊胸や広範囲脂肪吸引は硬膜外麻酔が現在は主流です。しかし繰り返しますが「(麻酔の手技が)上手く掛ければ」メリットが多い麻酔ということです(続く)。