埋没糸の抜糸(埋没法術後4年余)

 先日、他院で4年2か月前に掛けた埋没法の糸の抜糸を行いました。実はこの手術を引き受けるのは、いつも躊躇しつつ診察の上で、やっと引き受けたりしています。3年余り前にブログのこの頁でも書きましたが、多くの美容外科医師は最初は薄青で年数と伴に色が脱色する糸を使っているのです。
それは何故なら、①手術の際は色が付いていないと上手い手術が出来ない。②術後しばらくは患者さんがやり治したいと抜糸+再度掛け治しを言って来る事があるから糸に色が付いてないと抜糸手術が出来ない。③しかし瞼の皮膚の薄い女性は皮膚を引っぱると糸が透けて見える事も少なくない。独身の時はともかく結婚後に色が透けて見えると夫に整形がバレる等々。それで1年以上経つとだんだん埋没糸の色が脱色する糸をメーカーが製作し多くの医師が使っている。・・・という事なのです。
しかし、何らかの事情で何年も経ってから抜糸を希望される患者さんが来られますと困惑します。前のブログにも書きましたように瞼を指で上下左右に動かすと皮膚の動きに微妙に攣れた感じのところを見つけることがあります。その場合は抜糸のご希望を引き受けます。手術時間は結構かかっても抜糸はまず可能です。しかし上述の触診でも全く分からないことがあります。その場合は残念ですが抜糸手術をお引き受け出来ないと告げることがあります。
正直言いまして何年も経った糸を抜くより普通の埋没法を行う方が遥かに気が楽です。