当院に連絡してきた医師たち ②医療ビジネスを目指す若人

もう何年も前になりますが、「眼科医ですが美容外科クリニックでの1日を見せて欲しいです。」と連絡して来た先生がいます。
私はメールにて経歴と来たい理由を書いて送るように伝え、そのメールが届きました。
変わった経歴と思いましたが、私と価値観を共有できるように思え、来院して1日過ごして頂くことを了解しました。
(下記は以前使用のPCを起動、届いたメールの一部を完全にそのままを転写、一部伏せ字に置き換え)
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平成 ■ 3月   ■■高校卒業
平成 ■ 4月   ■■大学法学部入学
平成 ■ 3月   ■■大学法学部卒業
平成  ■■   4月        ■■大学医学部入学
平成  ■■   3月     ■■大学医学部卒業
■■大学■■病院にて前期研修医終了
現在■■眼科 入局中です。
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法学部卒業後は医学部入学まで、大手銀行に3年間勤務されています
当院では朝から見学してもらい診療後の夜に話しを聞けば、一族の業績が世に広く知られている名門の家系でした。
そして「父方は実業家、母方は医系一族で、僕は両方のDNAが入っているから、将来“医療ビジネス”に取り組みたいのです。」と聞かされた際は。私は一瞬“医療ビジネス=金儲け!?”と受け取り怪訝な表情をしてしまいました。

しかし、この先生にとっては語意が全然違い、“未来に向けた効率的な医療経済モデル”それを構築したいとの様でした。
ですから、この先生には美容外科の手術手技でなく美容外科の広告・経営の特徴など色々話しました。
少しは参考になったでしょうから、この医師は丁寧に挨拶をして帰られました。ただ私はこれで縁が切れたと思っていました。

医療ビジネスところが・・・。少々驚くメールが後日届きました。「現在予防医学として、下記のようなホームページをアップしています。」「ここに告知していますように3月7日(日)に、新宿東口のJR出口の前で健康診断を行います。場所は新宿区に交渉してタダで借りれました。木村先生も良かったら見に来て下さい。」というのです。
行ってみたら通りの脇にテントを張っては、白衣を着た若い医師たちが8名いて、それ以外に白衣は着てないけどスタッフたちが通り歩く人に声を掛けては採血とかで内科、眼科、耳鼻科的な検査をしているのでした。機材は■■大学病院から借りれたと言いまして骨密度を測る機械まで持って来ていました。彼が音頭をとって他の医師たちもボランティアで参加したそうで、検査代は安く、この日は儲けなど無しに、彼が考えるビジネスモデルの足掛かりを模索しているのかと思いました。

あれから久しく音信不通ですが、10年後くらいに、この先生は医療ビジネスで世に覇を唱える形でメディアに出るのかな?と思ったりします。