Archive for the ‘輪郭’ Category.

エラ削りの術前術後の症例写真

 美容外科手術では顔面の骨切り・骨削りが一番大変な部類と言えます。目の二重や隆鼻手術より色々と負担が大きいのです。対象はアゴ削り・エラ削り・頬骨削り・鼻骨骨切りとなります。さて、エラの場合は患者さんが思う様なカド(角)の部分だけを落とせば良いという発想は若い女性には適さず、角だけでなくアゴとエラの中間を超え、アゴに近いところまで削って行って正面顔を小さく見せて顔下3分の1を華奢に見せる事が正しいエラ削りの仕方です。角の落とし方は落としすぎず角の位置が上に来るように少々残した方が自然な美しさが出ます。
さて顔の下3分の1での横幅を決めるのはエラの角より少し前の方であるため、この部位の下顎骨の隆起を削って骨髄が見えるところまで削ってそれを前方のオトガイ神経孔の近くまで行うことが肝要です。神経のギリギリ近くまで骨に削りを入れるので術中に神経に牽引ストレスを生じ、術後一過性の麻痺が生じるものです。麻痺といっても知覚麻痺ですから感覚が鈍いだけで口の動きは総じて正常なので喋る・話す・食べるに特に支障はありません。
術後は当院ではドレーンを留置・圧迫、朝まで入院としますが、以前のブログでこの写真を出しましたように翌日だからと凄く腫れる訳ではありません。帰宅後もバンテージで圧迫を続けて行くうちに、次第に患部は引き締まってきて、3ヶ月をすぎればエラ張りの顔の時とは異なるスッキリした笑顔を見せられるものです。拡大画像は≫こちら

安室奈美恵が若いのは、なぜか?

 安室奈美恵さんが雑誌の表紙を飾ってあるのを時々見て思うに『若い!もう35才なのに20才の頃と変わらない。』という事です。
私は彼女が10代終わり頃にアムラーなる言葉が流行った頃から顔を見ていますから、あれから美容整形手術を受けたようには見えないのですが、何故こんなに若く見えるのか?それは日頃の肌のお手入れもあるでしょうし、静止画を撮影の際は完璧に表情を作り、カメラマンも何十枚も撮影した中から最も良い画像を採用しているからなのは当然と思います。
しかしそういう事だけでなく、安室奈美恵さんは根本的に顔立ちが若いのです。キューピーのように丸く広い額、短めで小さめの鼻、華奢な顎というところが若くどこか子供っぽい容姿となっているのです。だから彼女は50才過ぎても可愛いオバサンで居られると思います。
女性は幾つになっても愛される存在であるべきと私は思っていますので、私のクリニックに来られる患者さんには①額がコケて貧相なのは老けてみえます。小切開アパタイトか冠状切開で丸く広くツルっと出して下さい。②鼻が大きいのはダメ。目が大きいねって望ましいですが「立派な鼻」だって褒め言葉になりません。形は良いけれど自己主張の強くない、こじんまりした鼻が今時の若い美人の特徴です。③顎が大きいのは男で会社の社長、重役なら似合いますが、女性で顎がデカイのもダメ。顎骨を短く両サイドまで削って華奢にして下さい。・・・とよく言っています。
そういえば当院に額の美容整形で理想とするモデルで一番名前が上がるのは安室奈美恵さんです。次は沢尻エリカさん。「性格は似たくないけど顔は似たい筆頭ナンバー1です。」なんて聞かされた事もあります。

アゴ削りについて美容外科学会で発表したこと

   10月12日の美容外科学会の際は顎の骨のV字カットついて発表しました。私の直前にリッツ美容外科の広比先生が殆ど同じ演題で発表されたのでサイド削りの注意点で内容が重なってしまったのですが、広比先生も言われていましたように両サイドで神経を損傷しない幅は6mm+α、普通の女性なら6~7mmといったところでしょう。下歯槽神経管のすぐ下を削ることになるので、すごく慎重を要する、この場合の手術のキモとなります。
一般的に患者さんは顎を短くして下さい。と希望されてくるのですが9割以上が女性ですから、ここで大事なのは両サイドまで削る事です。添付画像は学会の際に供覧して頂きました骨切りした骨片をセメダインで着けたものです。奥の方は平ノミで微細に削りクズ状となり洗浄の際に吸引されて失われるので、セメンダインくっ付けられなかったところもあるのですが、まあこのような形での骨切り&骨削り術となります。(大きな画像は≫アゴ削り講座:医学へ
カウンセリングの段階で事前にどこまで削れるかはレントゲン撮影をすれば大まかには分かります。当院の場合、同じビル内の内科で撮影して頂きます。顔のレントゲン2枚と全身麻酔用の胸のレントゲンと心電図で、合計5,000円くらい掛かります。なお私は3次元CT画像は反って骨の中の下歯槽神経管は見えない訳で、撮影しても特に有用性は無い気がします。

ファイスリフトでの脂肪吸引の併用

 老化による若返り手術としてファイスリフトが広く行われていますが、アゴの骨切りでV字カットと称して逆三角形を目指すように若い顔とは顔の下1/3のボリュームが少ないものです。ですから私は本格リフトとなれば大抵は頬・アゴの脂肪吸引を併用します。組織の負担は大きめですから、1週間後は画像のように腫れて首まで皮下出血による黄色変化が見られたりしますが、落ちついてしまえば非常に効果的で、このモニターの患者さんも「手術を受けて良かったです。」と喜んでもらっています。私もつい「おば様からお姉様になりましたね。」と言ってしまいました(それほど変わりました)。
なお若い顔とは顔の上の方にボリュームがあるべきなので、額やコメカミをふっくらさせるのも、若返り手術として、また有効な方法です。(左記画像の拡大したものは、シワ・タルミ・フェイスリフト講座の医学へ

独創と革新が芸術を生む

 来月の美容外科学会総会で私は下顎骨のV字カットの発表をしますが、この手術のネックは、下顎骨の中を通る神経・血管束を傷つけないために切除量に制限が生じる事です。また術中に骨の神経孔から出たオトガイ神経が剥き出しになり外力で多少なりともダメージを受けます。末梢神経ですから多くはほぼ回復すると分かっていても、多くの美容外科医師はこのような手術をリスクが高いと思っているようで好みません。
しかし私は整形外科医として骨は削ったり切ったりするだけでなく金属で留めて動かす、体重を掛けさせるという事をやってきましたので、殊更リスキーな手術とは思っていません。だから下顎骨の骨切りはアゴもエラもよく行います。ただ最近は手術中に骨を削りつつ下顎骨の中の下歯槽神経管が露出してきたら削るリミットが来たと思い込んできた事に疑問を感じています。
整形外科では肘部管症候群に対して神経移行術という治療があります。要は神経を骨から外して尺側から橈側に移動させるのですが、私も複数回執刀経験があり決して難しい手術ではありません。ここから下歯槽神経管を開窓して神経・血管束を少々上方へ神経テープを通して引っ張れば、あと2~3㎜更に骨が削れるのではないか。と思っています。この神経管からは歯に行く神経が枝別れしていますので、グンと上に持ち上げるのは無理にしても、今まで我々が躊躇って患者さんの期待に十分応えられなかったのが可能になるのではないか。と思っています。
こんな話を同業医師に言えば危険極まりない手術と非難されそうですが、それは従来型のBone Saw(電動ノコギリ)・Round Bur(回転ヤスリ)・平ノミを使った場合で、私は超音波骨メスを使えば何とか愛護的にそれが成し遂げられるのではないかと思っています。超音波骨メスはギブスカッタ―同様に硬いものは削るのに柔らかいものには優しいのです。(画像は超音波骨メスで神経管ギリギリまで骨を削っている場面)

ミニリフト失敗、またもリフト

ファイスリフト術前・術直後 先日、本格的なファイスリフトを行いましたが、実はこの人はそんなに遠くない前に、某美容外科でミニリフトを受けていました。そのリフトは短時間手術で腫れない、傷は絆創膏を貼るだけ、抜糸不要でもう来院しなくて良い。というものでしたが、効果があったかな?と思えたのは最初だけで3ヶ月も経たないうちに殆ど元の輪郭、タルミに戻ったそうです。
ミニリフトと称する手術の中には耳の前の皮膚だけ切って縫うような事をされる医師もいますが、こんな事では後でそこの緊張が緩めば殆ど元に戻ってしまいます。患者さんの言葉にも出た「お金をドブに捨てたようなもの。」です。効果のあり持続性のあるリフトとは必ず剥離が必要です。そのため腫れますが剥離した下の組織と皮膚の位置関係で皮膚が上がって癒着すれば、そうそう元には戻らないものです。
また一般にSMASとLigamentを引っぱる、脂肪吸引も併用して行う、糸のリフト(ケーブルスーチャ―など)も併用し中顔面も効果を出す。バッカルファットも引き上げるなどすれば大きな効果を出せるものです。(大きな画像は≫Dr木村のしわ・たるみ・フェイスリフト講座

エラ削りの腫れ対策(安静とドレーン)

エラ削り術後1日 era_post_op_1day この秋予定の美容外科学会のメインテーマは「顔面骨格改善手術から抗加齢医療まで」なのですが、私は整形外科医でもありますから、骨切り&骨削りには研修医の時から親しみがあります。
さて、一昨日のエラ削りのモニターさんですが、昨日帰る前に撮った写真を比べて見ると、もうエラ張りが改善しているのが分かります。翌日と書きましたが正確には術後18時間後の撮影で、患者さんは帰宅時に「感動しました。」と言ってくれました。その間に何をしたかと言いますと“顔をバンテージでしっかり圧迫し、リカバリーで上半身を30度ほど起こして、ひたすら安静。またドレーンを入れて創内の血液を出来るだけ排出”させております。
一般には「顔の骨を削れば顔はパンパンに腫れる、それは骨髄性の出血が止められないから。」と言いますし、その通りでもあるのですが、だからこそ、術後に血圧を上げない様、リカバリー(安静室)で朝までじっとしてもらう。そしてドレーンは絶対に入れて出血は溜めず、帰宅時に創内に殆ど血腫がない状態にしておく。これはダウンタイムが限られた人が多いので、美容外科的には凄く肝心な事と思っています。
ただクリニック側からすれば「誰が朝まで患者さんの経過観察をするのか?」という問題があります。看護師に度々強要すれば退職理由になりかねません。私もそんな事で当院の看護師に辞めてもらっては困ります。だから毎回私が当直をしています。

眉毛状隆起の骨削りやセットバック(歯を骨ごと引っ込める)の考察

e-line 昨日、眉毛状隆起の上下を出すことで顔面の形状を整られたモニターさんを呈示しましたが、実際のところ皆さん見て、知的でスマート、そして生きるのに積極的な印象を受けます。
対するに眉毛状隆起を冠状切開で剥がして削った人は、可憐な乙女的顔貌になった印象となるものです。
 歯が出っ張っていてEラインが整わず、その上下の鼻と顎を出して整えた場合と、セットバック(歯を骨ごと引っ込める)で手術を受けた人の印象ですが、同様な印象を受けます。
 端的に言えば出っ張っている高さに合わせて引っ込んでいるところを出すのは「陽性」の印象、出っ張っている高さを削るか引っ込めるのは「陰性」の印象を与えるものです。
 女性の場合、「慎み深い」というのも女らしいという事に繋がりますから、「陰性」と書きましたが、出っ張ったり、突き出たりしているところを、削ったり、引っ込めたりするのも慎ましく『また良しかな。』と思います。要は顔全体のバランスや会った際の雰囲気、本人が何を望んでいるかで、『陰陽』を決めるものです。

眉毛状隆起(眉骨が出ている)は削るのか、上下を出すのか?

眉毛上隆起は(眉骨が出ている)は削るのか、その上下を出すのか?3枚のコピー 眉骨が出て、額がコケて鼻根部(目と目の間)が低い人は少なくありませんが、この場合、眉骨を削る手術(画像参照)も悪くはないのですが、頭部冠状切開(画像中段参照)で頭の皮を剥いで骨を削るのは手軽ではありませんし、長い禿が一生残るのが辛いところです。
 ここで眉骨の出具合はそのままに、額と鼻筋を出すのも、もう一つの選択肢です。写真のモニターさんは、添付の石像に似たイメージを変えたいとのことで、額の生え際から小切開して骨膜を剥離しペースト状ハイドロキシアパタイトを注入してモデリング、鼻は鼻根部が厚めのシリコンプロテーゼを鼻孔内なら骨膜下に挿入しています(写真は術後1ヵ月で、若干大きな写真は≫額の整形・症例写真下段へ)。
 仕上がった印象は都会的で知的、精悍な印象で大半の人は術前術後を比較し、術後の顔立ちの整いを肯定的に見てくれると思います。

バッカルファット切除で頬のタルミが取れる?

バッカルファット切除で頬のタルミが取れる? 左記の画像は3年ほど前に私が描いた絵ですが、今、TV局から取材を受けている関係で近日中に、この絵が放映される予定です。
この時のナレーションで「バッカルファット切除で頬のタルミが取れる。」と言っていいですか?との質問を受けていました。
 これは微妙な問題で、確かにバッカルファットで検索して「頬のタルミが取れる。」と説明してあるサイトがあります。しかしバッカルファットは下はせいぜい奥歯の横までで、一般にブルドッグ顔などいう頬のタルミの最下部はバッカルファットではありません。
 ただ経験的にバッカルファット切除だけでも、ブルドック顔の頬の肉の下垂がある程度改善したように見えます。そしてこれは私の憶測ですが、バッカルファットを取ったところが空洞になるわけには行きませんので、空洞が潰れる時、側面だけでなく上下にも潰れるので引き上がる、もしくは外科手術を行う以上は傷が拘縮を起こしてタルミが引き上がるというものと考えます。
 ただしそれを過大に期待させて、本当はファイスリフトやファイスラインの脂肪吸引の適応のある人にバッカルファット切除だけを行うと「口角下のタルミが十分取れていません。」とのクレームも出ることと言えます。
 ですから「タルミが改善しますか?」と問われれば「程々です。むしろ奥歯の横で頬が膨らんでいるような人の顔をホッソリさせる手術です。」と答えるのが、より正しいと思います。またバッカルファットは取り過ぎるとゲッソリした老け顔にも成りかねず、顔の形、年齢や肌質による後日の改変の見込みなど勘案して、他の美容外科手術と同じくデリケートに行うべきものと思います。

バッカルファット切除の術前と半年後

バッカルファット術前と半年後(笑った時)のコピー 画像は2日前のブログと同じ人ですが、向かって左の写真は2月22日の画像と同じで、奥歯の横にバッカルファットの膨らみが顕著に認められます。
 しかし半年も経てばスッキリ自然な笑顔が得られるもので、この手術は丁寧にやれば腫れも程々で1週間で社会復帰は十分可能ですし、傷も顔の皮膚に残りませんので、お勧めし易いものです。
 インターネットでパンパンに腫れたとか結構頬に熱を持ったとかあるのは、手術部位に出血をみたのかと思います。出血すると、それが吸収する時に炎症を起こし腫れと熱発をみるものです。出血予防には術中に可求的な止血凝固と術後の安静を要します。

バッカルファット切除後とムンクの叫び(続き)

バッカルファット切除の2週間後と半年後のコピー 美容外科学会に出した演題に絡んだブログを書いているうちに延び延びになりましたが、9月14日にバッカルファット切除後に開口しても(頬の)凹みが改善した画像はまた出します。と書きましたが、左記の通りです。
前にも書いた通り、単に肌にハリが出たとかでなく深い脂肪を弄っているので、それより浅い層の筋肉・脂肪等の軟部組織の位置関係が変わってくるのではないかと考えています。しかし少なくとも日本語文献にはそのような記述があるものは無く、全くの私の推測です。

テレビ局の美容外科クリニックへの取材(額のハイドロキシアパタイト)

ハイドロキシアパタイト 昨日夜に日本テレビ系列の人が当院を訪れ、額のハイドロキシアパタイトについて取材されました。左のモニターさんの画像やアパタイトの機材等を渡し、続いて額の美容整形の種類と利点・欠点などを尋ねられました。
そこで意外だったのは「額のシリコン注入」に対しての度々の質問でした。当院に来られたのも、ペースト状ハイドロキシアパタイトが小切開での注入のため、シリコン注入と何か通じるところがあるのかと来られた感じがしました。
どうも番組を制作中のところ、額にシリコンを注入された方に取材を行ったそうで、聞けばその人はフィリピンで受けたとのことでした。私は『フィリピンでは、いまだにそんな施術をしているのか!』と唖然としましたし、取材の方が「銀座でもシリコンを打ってくれる先生がいるはずです。」と言ったのには『いったい何年前の事を言ってるのですか!』と驚いたものです。しかしテレビ番組制作の人達が帰られた後で、『ああ、あれは男装の麗人と名高かった女医、銀座の細川先生のことだったのだ。』と気付きました。今の若い先生はご存じないでしょうが、最後までシリコン注射を打ち続けていた先生です。美容整形分野で液体シリコン注射が危険だと言われ誰もやらなくなっていた中で、密かに打っておられました。ただ、それを悪い事と一刀両断に非難も出来ないのが私の微妙な考えに基づくものです。(続く)

バッカルファット切除とムンクの叫び

バッカルファット除去とムンクの叫び  3月26日のブログで「元々バッカルファットは表情筋より下層にあるので、より表面に近い筋肉・皮下脂肪・皮膚がバッカルファットの減少によって組織改変をしていって本当になじんで完成と考えています。」と書きましたが、 馴染んでない頃の困った状態は開口時です。ムンクの叫びを連想します。これが一生続くなら大問題ですが、数か月で上手い具合に落ちつきます。私はやはりバッカルファットが深い位置にあるので、それより外側の表情筋や皮下脂肪の位置関係が微妙に変わるのではないか?と思っています。端に肌にハリが出ただけとは思えない改善なのです。
 私はバッカルファット切除は平成7年から執刀してきましたが、皮下脂肪吸引とは全然違う考えで行う治療と捉えています。瞼の脱脂のイメージの方が近いものです。
症例のもう少し大きい画像は写真をクリックして、下段をご覧下さい。)なお、開口しても凹みがほぼ改善した画像は、また出します。

他院頬骨削り残しを見て、結局、割り切った手術か?と想う

qaddafi リビアのカダフィー大佐は27歳でクーデターに成功し実権を握ったと私は高校生の頃に知りましたが、イスラム社会の歴史には関心が薄いので、狂犬とも揶揄されるこの人物やこの国に対してはよく知りません。ただ昨今はニュースで度々顔を見ていたので、一昨日に他院頬骨削り修正手術の女性の顔を見ては失礼ながら『頬骨の削り残しで下瞼外側の出っ張りがカダフィー似。』と思ってしまいました。頬骨下方の削りは出来ていますので、これが反ってゴルゴ線を呈し尚更、カダフィーを想わせたのでした。
 前医は定型的なアプローチの口腔内とモミアゲの切開でしたが、レントゲンを撮って見て、それなりの効果を出した手術をやっていたと分かり決して失敗の部類ではないとは思いましたが、頬骨弓の骨切り前方の頬骨が眼窩に近い部分で全く削られておらず、それは視野が悪い部位だから削りあぐねたのか、時間切れか、割り切ってやっているので構わないのか、理由は分からないものの、とにかく患者さんの希望を満たす修正をしければなりません。最初は再度口腔内からの切開も考えましたが、眼窩に近い骨削りが目的ならばと、話し合いの上、下瞼切開のアプローチとしました(輪郭整形の頁の下段に写真)。下瞼切開は睫毛ギリギリで行い丁寧な縫合を行えば傷は殆ど分からなくなるのと、この人に上眼瞼切開の既往がありますので、今度の手術で確実に決めるとなれば、それで行きましょう。という話になりました。
 手術は骨がほぼ丸見えに近い状態でやれましたから絶対に満足して頂けます。一泊入院+ドレーン留置でしたから、昨日朝に圧迫を一旦外しドレーンを抜いた際は、もう良くなったのが確認でき、患者さんにもそれを鏡で確認して安心して頂きました。
 尚、この人は頬骨弓の骨切りの後方の骨の出っ張りも存在し、ここの骨削りは大して困難ではないので、この部も修正する際は、前医は気持ち的に割り切ってやっているので構わないという姿勢だったのか?と思いつつ治しました。

頬骨削り/アーチリダ゙クション・顎削り/V字カット軽度・額アパタイト増量 術後3ヶ月3週

頬骨削り・アゴ削り・額アパタイト441頬骨削り・顎削り・額アパタイトのモニターさんです。
頬骨は口腔内切開+モミアゲ横切開でアプローチし、頬骨弓ともノミと電動ノコギリで海綿骨を僅かに付けたりして骨皮質を薄く骨切り・切り取りした後、頬骨弓の前後で骨切り&正中移動させています。アーチリダクションです。内側の軟部組織や骨膜は完全には離断せぬようにして遊離骨片とならないようにしています。これは遊離骨片にして骨吸収されるのを回避するためです。
顎は中抜きで短くした上で側方削りを行い、末梢骨片両端を削り幅を小さくした上で前に出しています。末梢骨片両端から外したオトガイ筋肉群は引っ張って前に出して骨に括りつけております。なお末梢骨片は金属プレートでなくワイヤー固定としています。下顎骨側方骨切りはオトガイ神経孔から5mmは離しての骨切りのため知覚異常は最初から軽微で早々に回復しております。
額のハイドロキシアパタイトは髪の生え際付近に8mmの小切開を加え骨膜下に剥離しペースト状の状態で多めに注入し、皮膚の上からモデリングして形状を整える操作で形成しました。この手術はブラインドなので、愛護的操作に加え、慣れやカンが入るものです。
なお3ヶ月過ぎましたが鼻の手術も含め色々やったためか、腫れがまだ若干残っている感じです。
8月23日

アゴの骨切りV字カットの発端はICONIQか

iconiq 美容外科でアゴのV字カットと言う言葉は、以前からあった気もしますが、メールの問い合わせ&実際のカウンセリングでの患者さんからの言葉としてはこの1年半くらいで多くなってきた印象があります。
 何が発端か?と思う時「ICONIQか?」と思ったりします。白黒写真の坊主頭が新鮮でアゴが小さく尖り具合が強く印象に残っているあの化粧品の宣伝は?と調べてみると、資生堂のマキアージュの時のものでした。2010年1月初頭に新聞各紙に大々的に載ったようです。2010年上半期からアゴのV字カットの問い合わせが増えていますので、やはりICONIQのアゴを見て「なりたい!」と思った女性は多くいたのでないでしょうか。
 続いてICONIQで画像検索しますと斜め顔が出ましたが、エラが無さ過ぎですね。V字でアゴは華奢なのは良いですが、エラは通常より上に小さくは有った方が自然で綺麗に見えることが多いと思います(エラ削り講座・症例の下段)。もっとも全てはバランスで考えるべきで何が良いと決め付けもできませんが。
 さて、またICONIQと検索で入れた瞬間「ICONIQ 消えた」のロゴも表示されたので、それでクリックしますと李忠成との破局以外は今は何も話題に登らないし出演も殆どないらしいですから芸能の世界は生き残るのが厳しいなと思います。
 個人的な事ですが私は4年余り前から佐々木希の左斜めの顔が妙に好きで(右斜めはダメ)、3年近く佐々木希カレンダーを院内に貼ってありますが、モデルとしての寿命は、あと何年か気になります。

顎の骨切りV字カットの術後1ヵ月

アゴ骨V字カット(術前・術後) 先日、顎の骨切りV字カットを神経スレスレまで行った女の子が1ヶ月検診に来ましたが、見違える美しさにこっちまで嬉しくてたまらない気持になりました。神経の感覚も回復してきており安堵しました。術中は骨を神経スレスレまで切りつつ下顎骨を下から覗けば、神経が露出してギョッとしましたが、回復不能な損傷には至ってなかったんだと確信出来ました。エラ削りの外板削りの際は下歯槽神経管はよく見えるので治療効果を出すためにラウンドバーでかすめるくらいまで削る(頁下段)のはしょっちゅうですが、下顎骨を下から骨切りして下歯槽神経管をかすめる位まで切り落とすのはノミでやりますので、ノミをハンマーでコンっと叩けば下歯槽神経管の下面の骨がポロッと取れて神経が見えたのです。これは整形外科でいう肘部管開放術や脊柱管開放術で骨を切るか削って尺骨神経や脊髄の圧迫を取り除く手術に似ています。または手根管症候群や梨状筋症候群で軟部を切って正中神経や坐骨神経の圧迫を無くす手術にも近いかなと思います。脊椎以外は術者としてやった経験は複数ありますから、どこまで踏み込めるか考えてやっています。
 この人のV字カットは顎先からエラ角まで一直線に切り上げたもので、正確には「アゴ~エラまでV字カット」と言うべきかと思います。
 検診の日、彼女も大喜びだったので、彼女の携帯で2人でツーショット撮影を受け、私もその後2日間、思いだせば幸せな気持ちになるので、モニターでもなかったのに昨日、左記のように鼻・口モザイク画像で使用をお願いしたら即OKしてくれました。
 美容外科こそ自分の業(カルマ)とH16年出版の本の後書きに書きましたが、やはり間違いないと思っています。
 さて、美容外科程ではありませんが、歴史を知るのも自分の名(知史)からの宿命で、高校生~医学部教養課程時代までは相当勉強しております。
 それで先日8月15日の敗戦の日は松岡外交での三国同盟を思い浮かべました。これが日本破局へ舵を切ったと戦後に非難した人も多いですが、ソ連も加えた四国連盟に繋げる構想自体は、対米での安全保障上、緊張を孕むものの悪くなく、南部仏印進駐反対など自制すべき事も主張し、松岡洋右には国際感覚があったと思います。若い頃を米国で過ごしたので、言うべき事は言うという思考の人でした。 そんな事で8月1819日のブログは松岡的に書かせて頂きました。不快な思いをされた方にはお詫び致します。

神経麻痺が残っても綺麗になりたい!!

 先日、ブログに書きましたアゴ骨のV字カットで下顎骨の中の下歯槽神経管の神経を、かすめてエラまで切り上げて骨を切った患者さんが抜糸に来ました。術前のカウンセリングの時は、
●患者:「神経を切っても良いからアゴの骨をもっと切り上げて欲しいの。」
○木村:「そんな手術したら神経麻痺のV字アゴを作るだけですよ。」
●患者:「素適~。」
・・・若い女性の綺麗になりたいという熱意には凄まじいものがあります。私も以前、他院で下歯槽神経管の神経を、かすめてエラまで切り上げてされている人を診たことがあります。唇の感覚は半分くらいしか無いそうだったのですが、ご本人はそれは気にされず、アゴの骨削りが不十分だと思うので、もう少し削って欲しいと言われました。初診ではリスクが大きいので断りましたが、また何カ月かして3回程来られ、結局リスク回避で、あと少しだけ神経損傷をこれ以上作らない範囲で削るといことで、超音波骨削り機で骨を削りました。
 今回の人はその人を彷彿とさせました。もう抑えられない気持ちは理解しましたから、「明らかに神経を切断するような事は出来ないが、下歯槽神経管の下面まで削る」という事でやったのはブログに書いた通りです。手術の日の術後リカバリー(安静室)にいる時に、下唇の感覚は正常の何%ですか?と聞くと「1」と言われました。
そして先日の抜糸の日に、再度聞きますと、「何か触ってる感じ分かります。3%くらい」と言われました。「3%」などと言われると私には緊張感が走りましたが、このオトガイ神経が回復が良いのは確かで、とにかく神経の固有支配領域を触っても、「何か触ってる感じ分かりますよ。」と言われるから神経の切断までは至ってないはずだから、気長に待とうという事にしました。

アゴ~エラまでスティック状に神経の露出を身ながら骨を削る。

アゴからエラまで切り上げ(下歯槽神経管を一部開放) 昨日の下顎骨削り(アゴ~エラ)の人は若くて過激な女の子で、「カウンセリングで、(知覚)神経麻痺になっても良いからアゴからエラに掛けて思いっきり切り上げて欲しい。と言ってきた人です。私は初回は断りました。しかし、しばらくしてまた来て懇願するので、「神経切っても顔の下がV字の輪郭になっても良い等と言われても、ハイそうしましょうとは言いませんよ。ただ、下歯槽神経管をかすめる位のギリギリの骨切りまでなら行います。これは不全麻痺の可能性はありますが、幸い直接見ながら出来ますから神経切断迄にはならないでしょう。ノミで薄くスライスして下歯槽神経管の下縁を削いで神経血管束が露出したら、もうそれ以上は骨切りしません。」と言いました。
 過去いろいろOP済みの方ですが、赤線のようにアゴの方から切り上げて行きましたが、手前に近い方では、下歯槽神経管の下縁の骨が筒の4分の1位が取れる形で、骨片が取れ、下から覗けば、神経血管束が露出と言いますかハミ出ました。
 全身麻酔から覚醒後、すぐに下唇の感覚は上唇が100としたら幾つ?と触って確かめましたが、「1」と答えられています。今はまだ局所麻酔浸潤から評価が出来ません。明日朝、確認しようと思いましたら、覚醒後2時間半後に「帰りたいです。 」と言われ、私は不本意ながらドレーンを抜いて帰宅させました。2週間後に検診ですが、色々気掛かりです。

アゴの脂肪吸引ならリスクは少ない

アゴ(二重顎)の脂肪吸引アゴの骨の事ばかり書きましたが、じゃあ脂肪吸引でアゴをスッキリさせるのにリスクはあるかと言いますと、若い人に行う場合、後々長引くような問題は生じないものです。
 写真では術後7日の時、少しの内出血による肌の黄色変化がありますが、お化粧で隠せる範囲ですし、この部位の脂肪吸引では大半の美容外科医師は細い吸引管で脂肪吸引しますから、ボコボコとはなってないものです。しばらく肌の硬い時期がある、触ると感覚が鈍い時期があるのも事実ですが一過性ですし、中高年に行わなければ若い人は肌が引き締まるので、なかなか「弛んだ。」とまではならないものです。
  なぜ引き締まるかと言いますと、若いから・・・というのもありますが、顔の脂肪吸引のように脂肪が厚くない層の脂肪吸引を行えば、結果的に皮膚の裏を吸引管で手術中は擦り続けることになり、それが「拘縮」として肌を引き締めさせているのです。
 尤も中高年にやるとなれば、肌を引き締まりにも限界がありますから、フェイスリフトも併用のカウンセリングをしています。

アゴ骨切り・アゴ骨削り:V字カット

アゴ骨切り・アゴ骨削り|V字カット 模型に、実際に骨切りして取った骨を沿わせて置いてみましたが、これでアゴが細い感じになります。先日やった患者さんは、昨日書きましたように骨膜を十分剥離して電動ノコギリやノミを入れていますから、血管損傷がなく、骨髄性の少しの出血をみただけです。
 この時、仮にオトガイ神経を切ってしまう、つまり骨の中にある下歯槽神経管ごと中の神経を切ってしまったら、どうなるかですが、この時は下歯槽神経管の中を神経と伴に走る動脈を損傷してしまうので、明らかな勢いのある出血をします。
 具体的には骨膜は綺麗に剥がしてある、ノコギリやノミが無用に骨の外に出ずして骨を切っている、だがノミの尻をハンマーで叩いた際、明らかにそれまでと違う骨髄からの出血料の多さをが生じたなら、下歯槽神経管を割った、中の伴走動脈を損傷した、神経もダメージを受けたと考えた方が妥当でしょう。しかし一撃の叩きで血管を傷つけて出血が起きたとしても血管も神経も離断までは行かず、この場合は若干外側に骨切りをやり直せば結果的に神経に回復不能な損傷を与えた事にならず回復し、結果オーライとなるようです。
 骨の外での出血・中からの出血、顔面動脈やオトガイ神経の損傷に細心の注意をしながらの手術操作は、なかなか精神的にそれこそ骨の折れる作業です。

アゴ骨切り・アゴ骨削りでの血管損傷

顔面動脈と外頸動脈 単にアゴを短くする際には写真の様に太めの血管から遠いので、大出血はあり得ないのですが、側方を奥まで骨切り・骨削りしていくと顔面動脈があるから注意が必要です。この血管は切ってしまうと勢いよく血が出るものです。
 ただ幸い、この部位の下顎骨の骨膜は剥離が容易で、骨膜ごと顔面動脈を骨から外せますので、アゴの側方(サイド)の手術で、この血管を損傷したとは聞かぬものです。
 もっと奥には頸動脈の分枝の外頸動脈がエラの角の近くを通っていますが、アゴの手術とセットでエラ削りをする際には注意しなければなりません。ここでも骨膜下でキチンと剥離し骨を露呈させるようにすれば、大丈夫なのですが、エラの角は咬筋付着部が結構しっかりくっ付いているので、剥がし難く、剥離が雑ですと外頸動脈の分枝の小動脈を損傷して容易ならぬ出血をみることがあります。
  美容外科クリニックでこのようなことがあれば、どう対処するかですが、要はガーゼを詰め込んで圧迫タンポンにしてしまえば止まりますし、入院させ翌朝ガーゼ除去して傷を縫合すれば何もなかったように済ますことができます。そのような学会発表も今年1月に大森系美容外科学会(JSAPS)で某先生がされていました。

オトガイ神経は下顎骨の中のどこを通るか

オトガイ神経が入っている下歯槽神経管 レントゲンを撮っても神経そのものが写ることはないですが、神経が中を通っている下歯槽神経管はストロー程度の太さで緩いカーブをい呈して下顎骨の中を通っているのが分かります。
 美容外科医師は術前にこのレントゲンをよく見て、どの位まで骨切り、骨削りをしても安全か確認します。
 なおこのレントゲンは、臨床応用局所解剖図譜(医学書院)から載せさせて頂きましたが、特殊撮影で下歯槽神経管を上手く見え易く写しており、実際はもう少しは不明瞭にしか見えません。
 だから術前のカウンセリング時にレントゲン撮影して、患者さんに説明する際、我々医師には下歯槽神経管が見えても、患者さんに「この管が神経の通り道ですよ。」と言っても、本当はよく見えてない患者さんが半分以上なのかと感じます。この件に関して色々質問してくる人が余りいないからです。(続く)

アゴ骨切り・アゴ骨削りはオトガイ神経麻痺のリスク

オトガイ神経孔(頤神経の骨からの出口) 写真の針金の先端は、下顎骨の模型に穴の開いている場所を指していますが、これがオトガイ神経孔と言います。エラの上の部分から下顎骨の中に入ってきた神経は下顎骨の中で下歯槽神経管の中を通り、オトガイ神経孔から顎や唇の知覚神経として感覚を司ります。
 アゴ骨切り・アゴ骨削りの際、電動ノコギリやノミの操作でオトガイ神経を切断してしまえば、神経学的に唇や顎先の皮膚の固有支配領域の知覚はゼロになり、放置で完全に回復することなどあり得ません。
 神経切断は直接ノコギリやノミの刃で起きる事もあり得るでしょうが、術中の筋鈎での術野の展開で無理に広げ過ぎて神経が牽引により引きちぎれてしまうこともあり得ます。この場合、オトガイ神経孔の付近で切れてしまうことが多いと言われ、切れた神経の端端縫合が難しく、担当医師はオトガイ神経孔付近の骨をノミで割って中枢端を露出し、端端縫合を行うことになります。
 またオトガイ神経が切断されなくても、手術中は術野の展開のため、神経が牽引でダメージを受けるのは、下顎骨の側方削りを行う際、大なり小なり生じるものです。ですから、キチンとアゴ骨切り・アゴ骨削りを行った後は、一時的とは言え軽い麻痺は生じます。

アゴの骨をV字カットする際の留意点

アゴの骨をV字カット予定 昨日、アゴの骨切りの手術を行いましたが、患者さんのご要望は『アゴの長さはこのままで良いからシャープな感じに、V字カットして欲しい。』というものでした。
 確かにアゴの正中から外に向かって下に膨らむ形状で今の若い女性の輪郭として好ましくありません。しかし手術として、まさか外側から皮膚を切って骨を露出して骨切りするわけには行きません(傷も当然ですが、顔面神経下顎枝損傷のリスク大です)。
 口の中から行うしかないのですが、アゴの骨切りとは短くする分には至極簡単なのですが、側方削りと申しますかアゴからエラに向けた方向へスティック状に骨を切って行くのは結構気を使います。それはオトガイ神経麻痺のリスクを踏まえて、少なくとも一過性の麻痺は覚悟し、場合によっては生涯麻痺を残すかも知れないという不安が術者の頭を過りつつもやらなくていけないのです。
 美容外科の医師の中にはアゴは短くはしてもサイド(側方)はリスクが高いので削らないという人がいます。気持ちは分りますが、美容的見地で言えば、女性のアゴが短くなっても底辺が平べったくなってしまえば、やらない方がマシです。
 では、やるその時、どこまでどんな風に骨を切っているのか、オトガイ神経の事、またついでに顔面動脈の事で私が気をつけている事を書いてみます(続く)。
 なお本日は独ソ戦開始70周年となります。この宿命の戦闘が1ヵ月余前に始まっていたら、欧州も日本もそして世界も今と随分違う状況ではなかったかと、毎年この日に思っています。

後頭部ハイドロキシアパタイトに異物反応や感染だなんて3

(4月6日の続き)この後頭部アパタイトの若い女性は術後19日の抜糸の日、「もうセックスして良いですか?」と聞かれました。若い夫婦の禁欲にも我慢の限界があるでしょうから「もうじき3週間ですから、そろそろ良いでしょう。騎乗位くらいなら…(笑)。」と私は言いました。しかしこれが良くなかったのです。
 その翌日から頭が腫れて痛くなり夕刻になると耐えられない位になった時、傷が開いて溜まっていた血が出て痛みも無くなったのでした。性交渉の正常位なら女性の後頭部は擦れますし、頭が心臓より高くならないので後頭部の血圧は上がります。男性より条件が悪いです。また小さい事ですが女性は洗髪や髪に櫛を通すのも患部への牽引力が働くのでいささか危険です。国内初である後頭部アパタイトをやって3年余り経ちますが、額アパタイトは9年余りやっており年間症例数も額の方が多いのに額で傷が開いた人は1例もありません。
 患部の安静、特に直達外力はやはり術後19日では早かったと後々思いました。しかし同様な条件で100人いたら皆、腫れて傷が開いた訳ではない筈ですから、日常生活指導のサジ加減は難しいと述懐しています。

後頭部ハイドロキシアパタイトに異物反応や感染だなんて2

私はこの患者さんには下記のようにメールしました。
【・・・(セカンドオピニオンの医師が言ったイソジンガーゼを詰めるような)消毒剤を創内に入れたままにする治療は一方法とは思いますが、消毒剤は創面を痛め、創傷治癒を遅らすことにもなりますので、これを行わない医師も多くおります。広い範囲に感染が生じた場合は消毒より大量の生理食塩水での洗浄・抗生剤投与・ドレナージ(排液)を行うというのもあり、私はこれを支持します。
・・・しかし以前、当院で細菌培養した時は菌(-)でしたし、感染ならば生じる炎症の四徴候が揃っていませんでしたから、私は今も感染には否定的です。
感染よりも創内に浸出液の貯留する機序が残っていたか、生じたと考える方が妥当と思います。お手数です近日中に当院にお越し頂けますか。宜しくお願いします。】
私は感染が病因には否定的ながらも、創傷治癒の促進のため創の新鮮化目的で鋭匙で軽く擦り、洗浄はしましょうと話したのですが、オペ予約を待っているうちに治癒してしまいました。
では、今回の病態は何かというと創の安静が取れず、頭皮とアパタイトの間でズレ応力が働き、出血・滲出液の漏出をみたからでしょう(続く)。

後頭部ハイドロキシアパタイトに異物反応や感染だなんて

後頭部アパタイト この写真は2008年1月に日本初公開の後頭部絶壁・小切開注入ハイドロキシアパタイトです。
その後に症例を積み重ねてきましたが、昨今、傷が哆開し、縫合を繰り返しても再び哆開してリンパ液状の液が出た若い女性がいました。
仕方がないから私はオープン治療(傷を縫わずに排液が出るに任せて自然に傷が塞がる)を申し渡し、結局それで治りました。
しかし途中、患者さん心理として不安になるのは当然ですから、セカンドオピニオンとして某大学形成外科教授の診察を受けたところ、ハイドロキシアパタイトに体が合わないから頭皮を大きく切って皮をめくってハイドロキシアパタイトを全部取り出すべきとの治療方針を言い渡されました。
また美容外科・形成外科の名医の某先生からは、感染が原因。細菌培養したらStaphylococcusが出ている。2cm位切開して中にあるだろう細菌のついた不良肉芽を掻き出した上で洗う。との話を受けたそうです。私の元に戻ってきた患者さんは不満爆発寸前の表情でしたが、私は異物反応なんて文献的に読んだことないし、細菌だって、ワン(+)だから皮膚表面に当たり前のようにいる細菌が傷を開いてるんだから検出の時、混じったものとみます。炎症の4徴候がない等から細菌が病因とは考え難いですと言いました(続く)。

バッカルファット(Buccal Fat:頬骨下脂肪塊)1ヶ月後

バッカルファット (頬骨下脂肪塊)切除 術後1カ月  先日 バッカルファット切除をして1ヵ月経ちました。スッキリした輪郭になって総じて良好です。しかし表情によっては上手く馴染んでいないように見えることもあります。
 術後1ヵ月ですから腫れは引いていると言えますが、元々バッカルファットは表情筋より下層にあるので、より表面に近い筋肉・皮下脂肪・皮膚がバッカルファットの減少によって組織改変をしていって本当になじんで完成と考えています。その時期は術後半年を目安と観ています。