2つの美容外科学会の統一 ⑪(形成外科学会認定施設は全て大学の支配下)

日本整形外科学会の認定施設のような立派な病院でも大学病院医局の支配下でないところは多く、整形外科医であれば、大学の医局に属さなくても認定施設の病院を自分で探して勤められ、すごく腕を磨く事は可能です。それは整形外科の四肢・脊椎疾患の患者数は莫大で、年がら年中、救急外傷の担当ともなりますから医師が足りないからです。私が平成3年に探して勤めた湘南鎌倉総合病院の整形外科はスタッフ6名のうち半分は東京医科歯科大からの出向でしたが、医師が足りず私はフリーで入職できました。症例数も莫大で週100時間労働、もちろんキチンと整形外科専門医の資格も取れました。
私はその次も考え同年平成3年当時、日本形成外科学会認定施設の資料を学会事務局からFAXで送ってもらって全て調べたことがあるのですが、ただの一施設もフリーで勤められるところはありませんでした。今も聞けばその状況は変わっていないようです。ですから形成外科専門医を取得しようとすれば、どこかの大学の医局に入局するしかないのですが、医局とは封建的で丁稚奉公と言いますか奴隷奉公しなければならず、教授を頂点とした上の立場の医師のために初めの何年かは無益な雑用を強いられ、能力はあってもチャンスすら与えられない鬱々とした日々を過ごさねばならぬ面が多々あります。有名な「白い巨塔」をイメージして下さい。
ですから再入局はかなり躊躇いました。そして私は平成元年~3年初頭まで通わせて頂いた元昭和大学形成外科助教授だった徳永先生のクリニックで、徳永先生の意思に反するでしょうが、整形外科の修練があれば美容外科手術はできるとも考えていました。