糸リフト(持続期間が短い)、BNLS(最初から効果少な過ぎ)、レーザー?

先日、平成27年末にブログに書いた若手医師(美容外科医)が当院に挨拶に来ました。
この夏で某有名クリニックから某個人クリニックへ転職しますが、今後とも美容医療で頑張りたいとの報告でした。

彼は節目節目で挨拶に来てくれるので、その礼節を重んじる人柄を私は素晴らしいと思っています(*注)。
さて彼は「この3年くらい、このままの勤務して良いか?と悩んでいました。」と言います。私が「何に?」と尋ねましたが、ぐずぐずして明言しませんでした。

ここからは私の勘ですが、たぶん売上至上主義みたいな環境が嫌だからだったからと思います。
あの某有名クリニックは、糸のリフトやBNLS(腫れない脂肪溶解注射)、顔のたるみ引き締めレーザ―を患者さんによく奨めます。
糸のリフトは簡単な手技で誰でも出来て今のところ値崩れが起きていないので、クリニックの売上の貢献度が大きいのですが、その治療後の効果の持続期間は短く、患者さんの実感として、半年以内に元に戻ってしまいます(1ケ月以内だったとの生の声を聞いたことが私は複数回あります)。
またBNLSは患者さんの実体験として「効いたか効いてないか分からない。」「効いたとしてもごく僅か。」という代物です。

現在、これらの真相より誇大広告の方が信じられているので、施術を受けた患者さんは後で『費用に見合っていなかった。』と残念に思うものです。
顔の引き締めレーザーは施術者次第ですが、出力を落とせば経験不足の医師でも火傷を起こさず、少しは効果を出せます。しかしそれではこれも『費用に見合っていない。』結果となるのです。
インスタのリオちゃん
美容クリニックに来る患者さんは、元々綺麗な人が多いし、色々治療済みなことも多いのですが、添付の当院で治療をうけた女性(インスタからの画像 転載許可済み)のような人が更に綺麗になろうと別のクリニックを訪れた際に、本来は『もう何もしなくて良い。』なのですが、売上至上主義のクリニックにかかると、担当医は事務長あたりから『売上あげろ!』と言われているので、結局は元に戻るか効果の僅かのメニューを奨めざるを得ないことがあります。しかしこういうことは内心苦しいのです。これは数字だけ見ている事務長らには分からないことでしょうが。
これが有名クリニックの医師が相応の給与を得ているのに、それを捨てて転職する大きな理由の1つになっています。
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(*注)美容医療を行う医師の中には無法者とか傍若無人に振る舞う者もいます。
私が勤務医だった頃、多少は美容外科の経験があるというので入職した医師が、そのクリニックの書類をどんどんコピーして持ち帰っているのが発覚し3日でクビになりました。また、パッと見た目の良い受付の1人は「クリニックを開業するのでここより良い給料を出すから来ないか。」と引き抜きの声を掛けられたとも聞きました。
こういう医師が勤務医を続ける場合は、売上至上主義の経営者と組んで医療としては(?)のようなことでも平気で続けて行くものです。