日本美容外科学会をひとつに(塩谷信幸先生)

 パネリストの先生方のご発表が終わり、質疑応答となった時、私(木村)は真っ先に挙手して先日のブログの内容で意見を述べさせて頂きました。そして、もうこの春で決定的に2つの学会が統合する芽は無くなった旨の理由も述べました。
また宇津木龍一先生(クリニーク宇津木流)が学会に入って来ない医師をどう教育するのか?という趣旨でご質問され、最後の方で「形成外科医でない人は美容外科、止めろって事でしょうか?」と再度ご質問されると、高須先生が「いえ、(中略)暫定期間は全部入れて、中で皮膚科の専門医だとか泌尿器科の専門医だとか一般外科の専門医たちも受け入れるべきだと思います。僕は一つのカテゴリーだと思っていますので、美容医学というのは予防医学でもない、治療医学でもない、第三の医学で、あらゆる叡智を集めるできだと思いますけど、中核になるのは形成外科、」と述べたところで時間切れのため座長の塩谷先生に遮られました。でも高須先生のご発言を聞いた時、私(木村)は高須先生がこの会場でよく言ってくれた。と思いました。
そして塩谷先生は締め括りの御言葉として、「最初に打ち合わせた時、パネリストの一人が、これは尖閣問題とか竹島とか言いまして、言えて“妙”だと思いましたが、パンドラの箱を開けてしまった訳で、この先は閉じる事は出来ない。どういう風にこの先、進めるべきかという基準だけは決めたいと思います。(中略) 私として不満と言いますか、足りないと思うのは、学会の立場だけで患者の視点というのが何かという事です。一度皆さんに原点に戻って頂いて、患者の立場からすれば何が望ましいか?という事で、もう一度お考え頂きたいと思います。」と言われました。
・・・私(木村)も同感です。まさにその通りです。私は塩谷先生とは一度もご挨拶すらしたことが無いのですが、塩谷先生が昔、横浜市大形成外科の科長だった頃に部下だった片山慎介先生のクリニック(藤沢市)に20年余り前、数回勉強に行ったことがあり、塩谷先生が、どういうお人柄なのか片山先生からお聞きしています。アメリカ留学期間が長かったために皆が「BOSS」と呼び、留学が長す過ぎた為でしょうか、医学博士を取って無くて臨床の主任教授になった稀有な方だよ。とも聞きました。そして総じて言えば大変BIGな方という評でしたから、締めのお言葉も2つの美容外科学会同士の喧騒を超えたご発言をされたのだと思いました。