ほうれい線(鼻唇溝)へのヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸をシワに注射するなどと言えば年配に対してのイメージがありますが、ほうれい線(鼻唇溝)に関しては若い人も治療を受けることは珍しくありません。

ほうれい線は年配の人では頬肉が下垂して被さって深くなる傾向ですが、若い人でも笑顔が似あう方の場合、程々深い感じになっているものです。

このモニター様も若く、笑顔の素敵な人なのですが、「ほうれい線が気になります。」と言われ、ヒアルロン酸注入となりました。

私の経験上20代の人に注射しても皆、満足を得ているものです。

画像のように注入後の方が雰囲気が更に良くなっています(画像クリックで拡大)。

ヒアルロン酸だから後々は無くなると言う人もいますが、完全に無くなるのはヒアルロン酸の分子に架橋が全く無いか少ないものの場合で、架橋がそれなりにあるものを使えば1年以上経っても患者さんの言葉として「少しですが効果が残っています。」と言われるものです。
これはヒアルロン酸が変質して吸収されないものに変わったのではなく、架橋が出来ているヒアルロン酸は分解吸収が遅いので、そのうち吸収しきっていないヒアルロン酸の周囲にコラーゲンの被膜が出来て、ヒアルロン酸を膜で包んでしまうので、生体が分解吸収できなくなって、結果的に効果が続いて行くようです。

さて、僅かなリスクとして注意するのは「動脈塞栓」です。このことは美容外科学会でも何度か取り上げられていますが、鼻翼横に注射する際は、その部に存在する小動脈内に注射しないように、くれぐれも慎重に行うべきで、小動脈の解剖学的位置を考えて針を刺す、ここではシリンジ内筒を引いて確かめてみる。鈍針を使う。意識して緩徐に注入するなど、先生方は色々なことを発言されているものです。