他院修正について(特にグラマラスライン形成・タレ目)

メール相談の中に「他院で失敗しました。〇〇〇〇な状態で、一刻も早く修正したいです。お願いします。」という趣旨のものは今まで何百通も受けています。
住所はというと随分遠方(関東じゃない)から届いているものも多く、名前も苗字だけだったりします。また文中に「ヤスミ」とか「木村」の名がなく、
こういう文章は同文を全国一斉送信ではないかと思います。
文面は術後2週間とか1か月とかのことが多く、これではまだ腫れもあるし、組織が硬くなっている時期で、ここで再手術すると、だいたい上手く行かないものです。

敢えて早期の再手術をお受けしたとしても炎症が強いから再切開した部位から、Oozing(滲み出る血液)が止まらず、傷の硬さもあって術中操作もやりがたく、結果的に再手術は上手く行かない事が多いです。
多くの医師がいうように最低でも3ケ月は待つこと。可能なら半年待ってからの方が、まだ条件が良くなり何とか結果も出し易くなるものです。

ただ、グラマラスライン形成(タレ目形成)に関して言えば瞼板筋を縫い縮めて下瞼縁を下げているので、術後早期の時点でメスを使わず、瞼の裏からフックをかけて縫い縮めてある部位を引き上げれば、そこが延びて下瞼縁の下がり過ぎが術後早期から治療できます。
少なくとも私の手術の場合はそうなので、学会で発表もしました。
この抄録は学会HPに載っているので、それを見た(見つけた)患者さんが「他院でやったんですけど、下がり過ぎていて、担当の先生は3ケ月は待たないと修正は危ないです。」とやってくれないんです。というので、以前はぼ全例受けていました。
ところが私の手術の時の同じように裏から牽引してうまい具合に下瞼縁が上がる人もいるのですが、『えっ!殆ど上がらない!!』というような、たぶん手術術式が全く異なるケースもあって、この場合、1種間ほど空けて2回、3回などと行ったり、
裏の瘢痕になっているところを電気メスで焼き切ったりした上で瞼縁と目尻の骨膜を細い透明なナイロン糸で外から斜め外側に牽引(外固定)したりと、患者さんも私も散々な思いをしたことがあります。
やはり他院様の手術は中をどう弄っているか分からないので、例え切らない治療でも安易に手を出したら駄目との悟りに達しています。
だから今はグラマラスライン形成での下瞼の下がり過ぎを早期に治したいという人も都内で何度もご来院できる人でないと事実上お受けできないと思っています。