SRS(性別適合手術)を受けた患者さんの診察

当院で顔の整形をしている20代のMTFの人が10月にタイでSRS(性別適合手術)を受け、本日診せて頂きましたが、非常に精巧な作りに感動しました。
「彼女」は10代で除睾術を受けホルモン治療を続けて来ましたので、パス度が高く、今回診察させて頂いて、外性器はまだ腫れが残っているものの女の子そのものです。今後のダイレーションを頑張れば、もう女性としての幸せな未来が待っていると思います。

私は昭和63年にSRS(MTF)を受けた患者さんの局所を診察してから、いつかこの手術を手掛けたいと思っていました。画像のように平成10年代にSRSを精力的に行っていた和田耕治先生の元に弟子入りしようか本気で思っていたところ、平成19年5月に和田先生が突然亡くなり、困ってしましました。
同時期、埼玉医大の原科教授もSRSをかなり手掛けており、もう原科教授に頼むしかないと、直接会ってお願いし平成19年末までに5回の見学と1回の手術の助手を勤めました。なお原科教授もご高齢になり平成19年末でSRSを辞められました。

そして当院に顔の整形で通院中の人が和田先生からSRSを受けており、和田式は必ず2期的に修正手術を伴うために、和田先生が亡くなった後にそれを私が受けることになった際に、患者さんが和田先生のカルテのカラコピーを持参し、術式が図解で書いてありましたから、これで2期的の修正手術は上手く行きましたし、原科式と和田式を合わせて新規で私もSRSが担当できると思いました。
そして偶然ですが当院の近所で和田先生からまず除睾術を受けSRSを行う予定だった人が来院し、この人が平成20年の時に国内でまともに行っている施設がないからと、私にSRSを頼んで来られました。「きっと上手く行きます。」等と言って下さったものです。この人が第1例目となり、実は非常に上手く行き、その後も行い計6例に達しました。皆様それなりの結果は出せたと思っています。

ところが、タイのスポーン先生の術後検診を受ける機会があった際に、打ちのめされる想いがしました。『上手い!、上手過ぎる!』と感嘆したのです。それまで本場タイで受けたという人の股間を見せられても私の手術と同レベルかな。との想いもあったのですが、噂に聞いていたスポーンテクニックの素晴らしさには脱帽したものです。

それでネットで「Sporn SRS」で検索を続けていたら、画像の元男性Danielle Foxxxを見つけたのでした(2007年にSRS)。ポルノ女優さんをやっているので、この名前で検索すれば凄い画像ばかり出てきますが(ネット検索では画像確認だけにして海外サイト自体は開かないように。アダルトサイトとして脅威が潜んでいるかも。)、本当に本物の女性器とそっくりなのです。
患者さんは最高の手術を受けたい中で、『私にはSporn 先生並みの結果が出せない。』そう悟って、もう造膣を伴うSRSは辞めるとの諦念を持ちました。