美容外科学会で「医学鑑定書の研究」を発表します
私は10年前、大学で48つの美容医療判例の研究をしており、後に学位授与となりました。
研究中、医学鑑定書の影響は非常に大きいと知りました。
それを11月5・6日の美容外科学会で発表します。
演題例は、当時関東4院展開の美容クリニックでの太腿内外の局所麻酔・日帰り脂肪吸引の3週間後に肺血栓塞栓で急死(30歳女性 156.5㎝・64kg)の鑑定書についてです。
まず問題となっていたのは剖検からの因果関係で、下肢深部静脈は「特記すべきことはない」しかし添付画像(クリックで拡大)の「右大伏在静脈内に微量の血栓を認めた」から、これが脂肪吸引によって形成され、3週間後に肺塞栓で急死の起源(画像に矢印で示してある)である可能性が最も高いとした剖検医の供述と、「表在静脈の血栓性静脈炎によって、深部静脈の非炎症性の静脈血栓が生じる、飛ぶなど無い。」との担当医が提出の証拠と証拠と主張の対立です。
尋問事項は剖検医寄りとなっている中で、鑑定医は、肺動脈の「血栓塞栓症の起因静脈に表在静脈が原因となることがない訳でなく」と(資料1,28,31)を挙げています(この鑑定の画像)。しかし、この資料1,28,31に『表在静脈が原因となる』趣旨の記述はないです。なお資料1の1枚目「下肢からの静脈注射の禁止」とは整形外科的には『下肢からの静脈注射で、下肢を動かさなくなるので深部静脈血栓が生じ易くなる。』ためです。さらに鑑定書には「また特に深部静脈など血管損傷を起こしたわけでもなく植皮術の術後に急性肺塞栓症を起こしたという報告もある(資料32)」と書かれていますが、同資料を見れば、考察に「術後の安静などによって下肢静脈血栓が発生し、その遊離が考えられた。ためです。」と書かれてありました。
この判例は最高裁運営検索サイトに下級審主要判例情報として18年以上掲載され、研究者からは注目されてきたものですが、
実地医療に携わる医療者からすれば、肺血栓塞栓症の起因静脈に表在静脈が原因となると、検証なしに認容された判例を、非医療者が見つけて素直に受け取ることになるのか。と鑑みるものです。















