額を丸くする手術と後頭部絶壁を治す手術

私は医療材料名がバイオペックスというペースト状ハイドロキシアパタイトを使って額を丸くする手術を平成14年2月から、後頭部絶壁を治す手術を平成20年1月からコンスタントに行っています。
この製品は西暦2000年に当時の三菱マテリアルが開発したもので、粉と溶解液を混ぜ合わせると、3分間余りでだいたい硬化、そして72時間経てば完成の強度に達します。骨とかなり近い材質で生体親和性が非常に高く、骨伝導能が有って骨との接触面は融合したようになります。 画像は最近使用した空き箱ですが、この手術は粉と溶解液を混ぜ合わせるところから左官職人さんと同様な迅速な手捌きを要求されます。モタモタしていると混ぜ合わせてゲル状になったペースト状ハイドロキシアパタイトが硬化を始め充填がスムーズにできなくなります。術後に触って波打ち凸凹ガタガタがハッキリ分かるなら、ここの工程が素早く行われていない可能性が高いです。要は症例を積んで手が“パッパッパッパー”と動かせるようになることと、持って生まれたセンスで決まる面が大きいです。
なおこのハイドロキシアパタイトを感染に弱いと間違って説明している医師もいますが、感染しても洗浄と抗生物質投与で治癒したとの外国語文献が複数ありますように、生体材料の中では感染に強い方と観て良いと私は考えています。それはアパタイトは電子顕微鏡でみれば抗生剤も通って行けるような穴を持つから抗生物質の浸透が期待できるためです。

なお本日の余談ですが、メッシが悲願を達成できて良かったと安堵します。彼は10歳の頃に成長ホルモン分泌不全性低身長症が分かりましたが、遠くスペインはバルセロナのクラブの監督がその才能を見い出だし、バルセロナへの移住を条件に治療費を全額負担することを約束し未来が開けれたそうですが、後に家族が離れ離れになったり、少~青年期は精神的に辛かったようです。

私はスポーツ観戦はほとんどしない方ですが、今回は決勝戦なので見ていましたところ後半は歴史に残る激戦でしたし、表彰の演出も素晴らしく、とても感動しました(画像クリックで拡大)。