ボトックスの効きすぎには、アセチルコリンの注射が有効

ボトックスの効き過ぎ(失敗・副作用)にアセチルコリン注射 昨日、ボトックスが効き過ぎて眉が下がって睨むようになった人などに、アセチルコリンの注射が、まあまあ効くと書きましたが、この効果は1週間くらいで消退してゆきます。しかし、なまじ筋肉が動き出したせいか、注射の1週間以降も「何がしか回復の傾向が出てきたようです。」と言われます。それで2回目を打つのですが、また1週間くらい経って効果が消退して行くものの、やはりその後も「何か良くなっている。」と言われます。
私の経験的にはボトックスが効き過ぎた人は放置で回復するまで待つよりも、アセチルコリンを断続的に打って加療した方が早く回復しているのは間違いない気がします。
美容外科学会でもそんな発表はないし、回復が早くなる事へのハッキリしたエビデンスもないのですが、麻酔科のペインクリニックや整形外科では椎間板ヘルニアへの神経根ブロックと称して麻酔液を神経根に透視下に造影で確認後に注射で打ちますと、麻酔液など3時間以内に効果を無くすものの、患者さんは翌日も翌々日も症状の明らかな改善をされているもので、椎間板ヘルニアへの神経根ブロックは間隔を空けて2、3回やるうちに内服薬でコントロールできる位の大幅な症状の改善を私も担当医として経験してきました。このアセチルコリンの注射も、それと通じるものと考えております。
医療においては実践医療に理論が後付けされてたことも多く、これもそういう位置付けになると思います。(なお写真は私の右手ですが、毎日の手術の際の消毒液での手洗いで手が荒れ気味です。)