美容外科と死亡事故

ACLS(二次救命処置) 私が今まで聞いたところの美容外科での死亡事故の数は両手の指の数でも余りあります。それもワキガ手術でも死亡事故が2件あると聞きます。術後の安静室で静脈注射した静脈麻酔薬で死んだ事故も2件あるそうです。なお死にはしなかったものの二重の手術でも局所麻酔でアナフィラキシーショックを起こした例があると聞きます。医療行為は死と隣り合わせ。薬店の親父が渡した風邪薬でも世界中の人が飲めば何人かは死ぬと思った方が良いです。
 それじゃ全ての医療行為が恐くて何一つ出来ないじゃないか!と言われそうですが、急に死ぬ原因は呼吸と循環(心臓)とです。消化器系や感染症ではありません。
 ですから、昨日の話の締め括り同様ですが、万一、呼吸が止まったら、心臓が止まったら、どう救命するか!を日頃から念頭に置いてあれば術中の心肺停止でも救命はほぼ可能です。これを的確かつ迅速な処置や指示ができることはACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)として知識と技術を身に付け、瞬時に処置できる様、実地訓練、書籍通読は全ての医療従事者の義務と思います。(画像の本には私が整形外科医長の頃に描いた挿絵がありますが、毎日が『寄らば斬る!』と気が立っていたので絵が優しくないです。