後頭部ハイドロキシアパタイトの限界

12月のブログの続きとなりますが、後頭部の絶壁治療のメールのお問い合わせは多く、そのご返答または実際のカウンセリングで喋っていることをここで書きます。
①ペースト状ハイドロキシアパタイトの手術で、白人のようなカッコイイ後頭部になるのは1回の治療では無理です。頭皮は硬めで延び難いので、絶壁で悩んでいる人も普通の日本人の頭の丸さになるのが限界です。
②術後に腫れが引いた後で手でよく触ってみれば波うちや凹凸は感じます。小切開から骨の上に流し込んで皮膚の上から手でモデリングでは完璧な曲面が出来ないです。
(ただ臨床的には問題ないです。例え薄毛の人でも見た目には自然に見えます。アパタイト自体に波うちがあっても皮下軟部組織が上に被さることで見た目が緩和されるのです。)
③後日の追加注入手術は止めた方が良いです。平成22年の途中から更に改良された成分になったのですが、それ以前の世代のものと違ってアパタイトの上にまたアパタイト注入して乗せても接着が弱くなったようです。と、幾年か経って私は間接証拠→間接事実→直接事実のように導きました。

この可能性の指摘は私が書いたアパタイトの論文だけにしか無いようですが、接着が弱くて遊離してしまうアパタイトの欠片または粒子が生じると、頭皮下を物理的に擦ったり、マクロファージの貪食が活性化し、漿液が産生されるようです。それで頭が腫れたり、漿液産生が吸収を上回れば腫れた部分の皮膚に穴が開いて漿液の流出をみるようになります。ペースト状ハイドロキシアパタイト自体は骨と接触した部分では合体したように非常に強固に固着するのにアパタイト同士では弱くなったなんて意外でした。

これが平成22年途中以前の世代のペースト状ハイドロキシアパタイト同士では接着に問題がなかったのです。旧世代のアパタイトの際、平成17年頃でしたが、学術部の若田部長に「2回目として上乗せして大丈夫でしょうか?」とお尋ねしたところ「大丈夫です。」との意のお返事を頂きましたから、後頭部では半年ごとに計4回やって非常に形の良い頭を作り、8年後もその人からメールを頂き、「非常に満足しているから、知人を来院させたい。」とのメールを頂きましたくらいでした。

現在販売のペースト状ハイドロキシアパタイトの2回目の接着は弱そうだとの注意書きを製品の添付書に載せる様にメーカーに頼んだのですが、「稟議にかけてみます。」とのことでしたが、後日、そのことを添付書に載せるのは見送りになりました。理由までは教えてもらえませんでしたが、まだ精査中というところでしょうか?)。
国際時事ニュースで思う事